レジリエンス能力と折れない心

近年、ビジネスマネジメントや社員教育でも良く聞くようになった「レジリエンス能力」。このレジリエンスを、「折れない心」を手に入れる得策として捉える傾向も強くなっています。

「折れない心」を求める人は多いのです。「折れない心」でのネット検索数は約2760万件、「折れない心の習慣作り」「折れない心の育て方」など、心療内科や産業医などの専門家たちの書籍や関連サイトがたくさん出てきます。心が折れる…英語で言うとHeart broken, broke offなど。言語が違えども、実質を持たない「心」の状態を、折れる、壊れると表現したくなるのは、人間なら皆同じなのかも知れません。

会社の場合、「折れない」よりも、さらに「打たれ強くなる」という表現が好まれたりもします。では、「折れない」「打たれ強い」を導くレジリエンスとは、どんなものなのでしょうか?

レジリエンスとは

    【回復力、弾力】

という意味で、“ゴムのような弾力性の高いもので、押しつぶされてもすぐに原型を復活できる”、そういうものを指しています。日本でますます注目が集まってきているポジティブ心理学でも、「逆境から素早く立ち直り、それをバネに成長する能力」をレジリエンスと定義しています。

会社組織では、折れない、打たれ強い、逆境をバネにする、そんな社員こそが強い人間、すなわち

    【優秀な人材】

とされているのです。レジリエンスという言葉が輸入されてくる前から、誰もが心の中で「そうなれれば、どんなに楽か」と思っていたことです。そう、私たちがさまざまな意味で、

    【強くなれる】

と思えるのは、実は外的なことよりも、ずっと深い内側にある感情の部分で「楽(安堵、安心、平穏、清らかな感覚)」を実感しているときなのです。

安堵、安心、平穏、清らかな感覚、これらがレジリエンスの原動力です。「自信」という言葉に置き換えてもいいでしょう。この原動力が蓄っていないと、レジリエンスを頭で理解していても、力として発揮していくには燃料不足となってしまうのです。

「打たれ強い」だけがレジリエンス能力を持つことならば、人は常に打たれまくって鍛えられてこそ強くなる、というハラスメントぎりぎりのコンセプトが生き残ってしまいます。

    【立て!立つんだ!ジョー!】

ハラスメント大国、ストレス社会、そんな日常生活の中で燃料切れの心のまま、「レジリエンス能力を鍛えるため」と言って、打たれ続けることに耐え、酔いしれていては、結果つぶれます。

最終ゴールは「いくら打たれても痛みを感じない人」になるのではなく「いかにすばやく、関わる誰もが、楽(安堵、安心、平穏、清らかな感覚)を実感できる状況にする知恵を出せる人になるか」なのです。鍛えるべきは痛みを我慢できる力よりも、痛い状況を改善する柔軟な知恵です。

レジリエンス能力の要素のひとつとして「楽観性」があげられることも多いのですが、残念ながら日本人の気質にはそもそも向いていないものです。無理に楽観性の追求をすることで、挫折したり、とん挫させてしまうよりも、「知恵を磨く」ことの追求の方が気質にも合っていますし、ストレスは少なくなります。

レジリエンス能力を高めて、折れない心を持つには、もともと誰の心の中にもある「楽(安堵、安心、平穏、清らかな感覚)」という感情、感覚に目を向けること第一歩となります。私たちの心が「楽」を実感するのはどういうときなのか、「楽」を多くの人と共有するには、どんな言葉、行動、生活を意図的にこころがけていくべきなのか。生活習慣や環境はどう改善すべきなのか。

そうしたことを心身ともに「安全、安心な状況」に身を置いて、再考することを考えてみてください。折れた心のまま打たれることに耐えながらでは、人の中のレジリエンスは成長しないのですから。

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パワハラ上司、その差ってなんですか?

【あなたはパワハラを受けたことがありますか︖】
転職サイトを利⽤する35歳以上の男⼥を対象にした調査で、82%が「ある」と回答しました。

2018年12⽉28⽇~19年1⽉31⽇ エン・ジャパン調査

その⼀⽅で、自分がパワハラをした側として認識している⼈はどのくらいいるのでしょうか。

【⾃分の⾏動がパワハラでは、と思ったことがありますか?】

この質問に「実際にパワハラをした」と答えたのは2%、「⾃分の⾏動がパワハラでは、と思ったことがある」は27%でした。

調査対象になった人の8割、いわゆる「ほとんど」の人がパワハラを受けたことがあると言っているのに対して、パワハラをした(かもしれない)ということを自覚している人は3割にも満たないという、この差はあまりに大きすぎませんか?そして、まさに今の日本の社会、企業のパワハラ問題の元凶を表しています。

世の多くの人が、「何がパワハラなのか、何をやってはダメなのか」ということを分かっていないまま仕事しているということです。何においても…

    【自覚がない】

大問題が起こるのは、ここなのです。

パワハラが、企業にも社員にも害になることは誰にでも理解できているはずではあれ、未だになくならないのは「個人の自覚」に対する責任感の無さと言えるでしょう。ストレスによる業務の低下、職場内の軋轢による人間関係の悪化による業務停滞と業績悪化はもちろん、最悪の場合はパワハラを受けたとされる社員が死に至ることもあるのです。

「自覚がない、自覚していなかった」を放置することで、組織も個人もみんながどんどん不幸になる、これが今の日本におけるパワハラの実情であり、会社の将来に大きな差を生み出します。

パワハラを完全に撲滅することは一朝一夕には難しいことではあれ、パワハラとは何か、なにをどうすれば(自分はそのつもりがなくとも)パワハラになりうるのか、ということを、上司部下という区別なく、組織の構成員全員がしっかりと「知っておく」=自覚する、そのことでパワハラから生じる組織の不幸を減らしていくことは可能なのです。

多くの組織が「パワハラ撲滅」を目標に掲げていながらも、社員全員に徹底して教育することはまだまだ実行実践されていません。企業というものはついつい「売上・利益」を優先するため、「教育」や「研修」の時間を「無駄」と考える組織人は残念ながら、まだまだ多いものです。しかし、昨今メディアなどでも大きく取り上げられるパワハラ問題を見れば、決して「後回し」にしても大丈夫な課題ではないことがわかります。

皆さんは自分の会社だけは、もしくは自分自身の「自覚」だけは大丈夫、と思っていないでしょうか?今回の調査結果を見てわかるとおり、どこの会社にもパワハラは「必ずある」と考える必要があるのです。経営者、管理職、社員、すべてに対する徹底したパワハラ教育・研修を実施が組織全体の幸福に繋がります。

パワハラ上司を生む生まないの大きな差は、「自覚」そして「先延ばし」にしない勇気です。

関連リンク:ミドルに聞くパワハラ調査

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USでコンマリが大ブーム 会社のデスクにときめきますか?

アメリカで「Konmari」が英語で通じるほど、ときめきのお片付けの近藤麻理恵さんが大ブームです。アメリカでも家を片づけられない人は驚くほど多く、長年の課題でもあります。家自体が大きいですから、そこにモノを貯めこむと、当然すごいことになります。日本よりも何年も前に個人向けの貸倉庫ビジネスが一般的となり、家に置ききれないモノは手軽に借りられる貸倉庫にしまっておけば、ちょっとした罪悪感から逃れられるという流れが、さらに貸倉庫ビジネスを拡大させてきました。そこに可愛らしい日本人女性が救世主にように現れ、今は不用品寄付の量が増大して話題になっているそうです。

日本ではゴミ屋敷という不名誉な呼ばれかたをされてしまう「過度に片付かない家」「モノが多すぎて生活に支障が出ている家」の住人は、アメリカでは「ホーダー症候群」と呼ばれ、精神的な問題、生活習慣問題として真剣に取り組まれています。

例えば、ホーダー症候群の治療でも、もちろんKonmariスタイルでも、改善の鍵であり、最終ゴールとなるのは、

【自ら幸せを感じるようになる】

【心から笑えるようになる】

という、極めて個人的な感情のヒーリングなのです。

日本では古くから5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)と呼ばれる整理整頓の考え方は工場などでは当たり前でした。この数年、オフィスでも職場環境改善プロジェクトに本格的に取り組む企業が増え、その一環としての会社をあげての整理整頓が行われるようになってきました。しかし、残念ながら、職場の片づけ、整理整頓では、「ときめく(英語ではSpark joyと紹介されています)」の感覚を主軸にした片づけ法は実践できません。会社の書類や道具を手に取り、じんわりと「ときめき感」を確かめるという個人の感覚頼りの方法では、現実的なプロジェクトとして会社に導入することはできないのです。

いわゆる病的なホーダー症候群まで至らないとしても、職場のデスク、デスク周りを見ると、社員の心身の状態や、社内の人間関係や働き方の習慣まで見えてきます。


↑デジタルホーダーという言葉もあるほど!

「会社は片づけられないけれど、家は片づけられますよ」とおっしゃる方も多いのですが、片づけが上手にできる人かどうかは大きな問題ではありません。会社の場合、整理整頓は業務効率に関わる重要な仕事の一部なのです。

だからこそ、社員ひとりひとりが「毎日どんな気持ちで会社に来ていますか?仕事が好きですか?ときめけますか?」、ここが職場の片づけ改革のポイントなのです。

職場での整理整頓には、モノへのときめき、ではなく社員幸福度の向上が影響を与えます。

当コラムでも「Sは7Sへ進化する!職場環境整備の新常識」でも、これからの日本企業には、おなじみの5Sに加えて、「幸せ」と「スマイル」という新しい2つのSが加わって、7Sで完成すると提唱させていただいてきました。新しい2Sは、社員幸福度の向上に取り組まなければ得られないものなのです。

人間の「ときめき」はストレートに幸福感につながっています。世界のトップ企業では何年も前から社員幸福度と企業の成功の関係性に着目し、幸福感の低い社員のパフォーマンスを上げることを重要な経営戦略としてさまざまな施策を行っています。

社員のデスクやデスク周りの状態、社内の整理整頓具合と社員幸福度のときめき具合を把握してみることから始めてみてはいかがでしょうか?

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次世代へのバトンタッチは万全ですか?

大塚家具が発表した2018年の決算は最終損益324000万円の赤字となった。去年1年間の営業損益は51億円の赤字、3年連続の赤字である。関連ニュース

 こうしたことから大塚家具は日本と中国の企業が出資するファンドなどから38億円の資金提供を受け経営再建を図り、ネット通販の強化や店舗改装、失墜したブランドイメージの回復に活用する方針だという。

 先代創業者社長と現在の二代目久美子社長との「確執」はメディアなどでもお家騒動として報道された。先代社長の「古い」やり方ではこの先大塚家具は生き残っていけない、久美子社長の新しい考え方が大塚家具を再生させるであろう、という声と、先代が一代で築いたビジネスをそうそう簡単に変えられるものではなく、先代のやりかたにも良い面がたくさんあるのだから久美子社長の「新しい」やり方が必ずしもうまくいくとは限らない、という声、「賛否両論」が聞かれた。

 結果、大塚家具は3期連続の減益となり、今や企業としての存続が危ぶまれている。しかし、果たしてこれは「久美子社長が間違っていたから」なのか、先代が継続して事業を行なっていてもやはり同じ結果だったろうから誰がやっても同じだったのか。今となっては知る由もないのだ。先代と久美子社長の「社長」としての事業経営手腕の優劣やなどは、もはや

 「どちらが正しかったのか」は「論ずる意味すらない」

 唯一明らかなことは、「父から娘への引継ぎ~事業承継」が上手くできなかった、ということである。

 親娘の確執があったとしても、先代としては娘に次代として会社を任せるつもりだったことは間違いないだろう。しかし、会社のターニングポイントに事業の不振が重なり、事業承継のタイミングが会社全体を混乱と不安定の真っただ中に置いてしまったわけである。事業不振に加えて、親子の事業承継という元来日本の伝統的な会社継続の理想の「失敗」が、大塚家具のブランドイメージの失墜を招いてしまった。それがさらに売上と業績の低下に繋がったのである。

 現代の日本の会社組織は、高度経済成長期に起業した多くの経営トップが引退して次代に経営を任せるタイミングになってきている。そのため、昨今「事業承継」が話題になることが非常に多いが、今のビジネス界隈では、相続などを含む税務や資金・資産面の対策だけがフォーカスされていることが殆どだ。

 事業承継というものは、税務財務含め、経営トップがささっと「業務の引継ぎ」をすれば良いという話ではない。先代が築き上げた会社への「想い」をどのように次代へ伝え、それを次代が如何に自身の中に受け入れ、昇華させ、その後の経営に活かしていくか、企業の歴史の振り返り、次代社長の将来のビジョン、新規事業の計画、人事面の承継と新制度の導入など、先代と次代が密接なコミュニケーションを取りつつ、それなりの年月をかけて細部にわたって綿密に準備をしなければならないのだ。

陸上のリレー競技のバトンタッチは綿密な準備、計画と練習の上で成り立っており、本番でタイミングが少しでも狂えばレース全体が一気に不安定になる。企業での事業承継もそれとまったく同じであり、大塚家具の例をご覧いただければ明らかだ。

日本政策金融公庫総合研究所経営者の調査によると、自らの代で廃業を予定している企業の引退予定年齢は平均 71.1歳。また、親族以外への承継として、201512月にみずほ総合研究所株式会社が行った調査では、直近10年の従業員や社外の第三者といった親族外承継は65.7%に達している。外部への承継を考えるのであれば、さらに計画的に事業承継計画を早めに着手、60歳までには、とりかからねばならない。

 当事者である先代と次代のトップはもちろん、社員全員が陸上のリレーの選手になったつもりで一丸となって綿密にバトンタッチの計画をたて、シミュレーションを重ねたうえでの事業承継を実行することが肝要である。

 ある日突然、何の準備もしないまま、先代から次代へ、「明日からお前に任せる、頼んだぞ」というような引継ぎでは事業の安定した存続もままならない。「ある日突然」は極端としても、たとえ税務や資産についてはしっかり準備をしている企業であっても、トップの「人」同士のバトンタッチについてを「ぶっつけ本番」にしてレースに挑んではならないのだ。

「先代と次代の間のコミュニケーション不足とそれに伴うバトンタッチの準備不足」の結果、失墜した企業ブランドイメージを回復するのは並大抵のことではない。極論すれば「ほぼ不可能」と言って良い。世代交代、事業承継、美しいバトンタッチに「ある日突然」は不可能なのである。

 

その不適切発言!「言い方ひとつ」で解決します

最近、不適切が溢れてます。

悪ふざけ動画で有名無名を問わずSNSが炎上し、「そんなつもりはなかった」の不適切発言ひとつで政治家たちは政治家生命を脅かされ、誰もが一寸先にある闇に戦々恐々としています。

   不適切発言とは=物議をかもすような発言

物議です。2人以上の人が集まれば物議は生まれます。不適切と類似するものとして不愉快な言動、これがまさに現在社会のハラスメントの根源とも言えます。不適切も不愉快も、ときには発言者側に悪気がないどころか、気づいてもいない場合が多いものです。

この問題を解決するには「コミュニケーションの向上ありき」、そうも思われています。

コミュニケーションはたぶん有史以来(いや、もしくはもっと前から)、人類にとっての最大かつ永遠の課題と言っても良いのではないでしょうか?言語の違いやコミュニケーションの難しさの例えとして宗教を超えて引用されることに多いのが、旧約聖書のバベルの塔の一節で、「神を冒涜するほど天まで届くバベルの塔を建てようとした人間を戒めるため、神が言語に混乱を起こさせた。それまでは人類は同じ言語を使っていた」という有名なお話があります。宗教的な解釈はどうであれ、私たちはお互いが分かり合いたい、伝え合いたいという欲求を持ち、きっとどこかで必ずや分かり合えると信じて疑わないピュアな存在だということです。

人間社会、人間関係は「言い方ひとつ」。本当にそう思いませんか?
私たちは単に異言語や異文化の問題ではなく、同じ言語を使っていても習慣や育ちの違い、さらにはそのときどきの感覚や感情のゆらぎから

 言い方ひとつ

で、不適切、不愉快の物議を引き起こしてしまうのです。

問題を起こすのが「言い方ひとつ」なら、それを解決させるのも「言い方ひとつ」。
「言い方ひとつ」と書くと、「言葉巧みに」という意味に取られてしまうこともありますが、「言い方ひとつ」の「ひとつ」は

 思いやり(Compassion)をひとつ

と言う意味なのです。

Compassion(思いやり)は、GAFAGoogle,Apple, Facebook,Amazon)などをはじめとする世界のトップ企業では、経営の軸やリーダー育成の基本のキとして認識されているレベルの、成功者の常識なのです。どれほど仕事ができても、経歴が華やかでもCompassion(思いやり)が身に着いていなければ、リーダーとしての資質は無し、トップに立つなんて無理、という考え方が主流なのです。考え方というよりも、単に事実としてそういうことなのだと。ふんわりした捉えどころのないものとしてではなく、ビジネスのコアとして考えられているのです。

バベルの塔は人類の驕りの象徴とも言われます。驕りは不適切、不愉快の現況でもあり、驕りの特効薬は「思いやり」です。コミュニケーション向上のため、ハラスメント問題を起こさないための研修、セミナー、トレーニングの根幹にも「思いやり」があってこそ。「言い方ひとつ」で会社の未来だって変わえられるのです。

売れる提案書には、美味しい「オチ」がある

職場の環境改善、業績収益向上、コミュニケーション問題の解決。問題が大きいと感じることにこそ、「簡素」に対応すること、いかにして無駄を取り除くかが最上級の解決になります。

たとえば提案書をひとつの例として考えてみます。
なかなか営業が約定にむすびつかないとき、もしかするとただ「長すぎる」のかもしれません。お笑いと同じで、長すぎるだけで「オチ」がない提案書ほどイタいものはありません。

提案書とは、文字通り「提案」をするものであって、プレゼンのようにグラフィックを見せるものではありません。もちろん事業内容や相手にもよるものですが、最終的には提案書は短ければ短いほどいい。そもそも最終的な決定を行うトップは、忙しいのです。長いプレゼンのような冊子のような提案書よりは、A4用紙1枚程度に必要なことが的確に盛り込まれた提案書で、しっかりと落としどころのあるものが望ましい。

提案書を後で見直す場合でも、何ページもあるものをめくるより、一目で必要情報が分かるものの方が頭に入りやすく、提案対象が最終決定者でない場はなおのこと、短く「オチ」があるものの方が効果的なのです。なぜなら、決定権がない人が提案を受けた場合、それをまとめて上に報告し決定を取るために、長い提案内容を短くまとめるだけでも大変な労力がいり、タイムロスも起こりかねます。

提案書にもドカっと受ける「オチ」があるかないか、ということです。

この「オチ」は、自社のためにもクライアントのためにも最上級の結果をもたらすために担当者や営業が策を練ったものであってこそ、きれいにキマるものなのです。

提案書の「オチ」のポイントは、スペシャル感です。企画書の善し悪しを「幕の内弁当」と「唐揚げ弁当」で例えられることがあります。極上おかずの数々を詰め込んで、豪華な幕の内スタイルにしてしまいがちなのが一般的な提案書のアプローチです。心配性な日本人がやってしまいがちな全方位型プレゼンとも言われています。もし煮物を拒否されても、焼き魚も入れておいたし…。

これに対して、スペシャル感と「オチ」のある企画書は、一品でも勝負できる唐揚げ弁当スタイル。「先日のお話で出たとおり、今、確実に来てますね!唐揚げ!弊社の唐揚げ弁当、絶品です」と、きっちりとクライアントの求めているものに答える。さらに「オチ」として、「今話題の揚げ物カロリーゼロ理論で作った特製タレがついてます」。クライアントのニーズと自社サービスの強みをしっかりと結びつけてこそ可能になります。

提案書が提案する側の一方的な説明になっていないか、両者にとって有益な「オチ」はあるか、見直してみてはいかがですか?

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ハラスメント撲滅、SOSを見逃すな!

小学生の女児が父親から虐待を受けて死亡したニュースが大きく取り上げられている。こうした、いたたましい児童虐待事件が起きるとかならず、「なぜ死に至る前に、だれもなにもできなかったのか」という声があがる。

今回のケースでは、小学校が生徒に対して行った「いじめに関するアンケート」で当時3年生だった女児は、あえて無記名にせずに父親からの暴力を書き込み、必死でSOSを送った。女児はただちに保護されたものの、約1か月後には親元に戻され、女児が父親の暴力の事実を書いたアンケートのコピーは、虐待当事者として懸念されていた張本人である父親に渡されている。その直後に女児は転校させられ、2度とSOSを発すことなく、父親の虐待で亡くなった。女児の出したSOSへの対応のお粗末さが、小さな命を守れなかったとも言える事件である。

教育委員会の担当者は、「父親から大声で恫喝され、威圧的な態度に恐怖を感じ、強い要求に屈してしまった」と、コピーを渡した経緯を話した。この事件では、本来なら「対応のプロ」であるべき大人までが、ハラスメントの恐怖に屈してしまったのである。

ハラスメントの問題は、現在の日本の社会、企業の中ではいまだに後を絶たない。職場だけでなく、家庭での虐待、学校でのいじめ、あらゆる形のハラスメントが起こっているのが現状なのだ。ハラスメントの被害者が、SOSを出すのは簡単なことではない。そして、SOSに対応することもそれ以上に勇気を振り絞ることが必要だと、再認識させられる。

職場でハラスメントの問題が浮上すると、現在の日本の会社ではほとんどの場合、人事担当者がその対応に「当たらされる」。対応に当たる、ではなく「当たらされる」のだ。カウンセリングのトレーニングを受けたり、スキルを持っていることなどは稀であり、話を聞いただけで特にはなにもしない、できない、ということになる。場合によっては、対応する側が責任と恐怖に押しつぶされることもあるのだ。問題が起きたときに、突然「対応のプロ」になることなど不可能なのである。

「うちの会社にはホットラインがあるから」「弁護士に一任する」という、対応プロセスが設けられている会社でも、実際にホットラインの担当者や、弁護士とも常々情報のアップデートやコミュニケーションを潤滑にしておくべきである。「何かあったときだけ」の関係では、対応は不十分なものとなってしまうのだ。

プロを雇う、プロに頼む。一見簡単で安心なことのように見えてしまうが、プロと呼ばれるレベルに就く人は、何をすべきか、何ができる人材なのかの自己認識することが求められ、頼る側も無責任に「プロ」に丸投げしてはいけないのだ。

こども、おとな、家庭、学校、職場…ハラスメントを撲滅を願うのであれば、まずは誰もが「知識」や「情報」を得ることが重要となる。「知ること」は何よりも大きな力なのだから。

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あなたの会社の管理職は大丈夫?

埼玉県の町役場で50代の男性課長によるパワハラで、部下全員が全滅したという。全員全滅…まさかの全員が自宅療養する事態である。課長は地方公務員法29条にもとづいて停職3か月の懲戒処分を受けた。

ライブドアニュース

パワハラに限らずセクハラなども、ハラスメントというのは受ける側の受けとめ方によるところも非常に大きいため、どこからどこまでがハラスメントになるのか、という定義は非常に困難なものである。しかし、今回の埼玉県の町役場のケースのように、「部下全員」とは、もはや度を超えた異常さすら感じてしまう。

とはいえ、被害者の数が1人であれ、部課全員であれ、問題の大きさは同じだ。ハラスメントの回避には「ハラスメントが起こりえない組織=ハラスメントが排除される組織」を作っていくことが現代の経営者の使命というわけでもある。それには、「ハラスメントを絶対に発生させないリーダーの育成」が必須となる。

会社組織では「上下関係」、特に上司から部下へ、つまりは管理職からその下へ、という局面がハラスメント勃発の中心エリアになってくる。ここで、皆様の会社・組織ではどういう人が「管理職」に登用されているかを考えてみて欲しい。会社内からの昇格であっても外部からの採用であっても、管理職の選定基準が「仕事ができる=業績が良い」、「長く勤務している」、「周りからの信頼、人望がある」というくらいで、実際に「管理職のポジションに就く人材についての明確な基準やルール」は定められていないというのが殆どではないだろうか。

仕事ができる・業績が良い=管理職として適性やスキルがある、とは限らないのだ。むしろ、過去の業績や勤務年数が管理職としての適性判断に仮面を被せている場合もある。上司や同僚の人望があったとしても、組織の管理職としてリーダーに向いているとも限らないのだ。

しかし、多くの場合、リーダー適性を細かく見られることもなく、管理職としてのスキルを身につけるためのトレーニングや教育を受けることもなく、「仕事ができる、業績が良い、勤務年数が長い」だけで管理職になっていく。このために管理職になったはいいが、何が何だかよくわからないまま管理職を続ける、リーダーをやっている、という状況になる。そして、そういう人たちがハラスメント問題に何らかの関わりを持っているのだ。当事者になる場合も多い、ハラスメントが目の前で起こっていても気づかない、気づいても危機感すら持たないという状況を起こす。

極論、管理職に向いていない人材、リーダーとしてのスキルのない人材を管理職にしてはいけない。特にハラスメントについては、管理職・リーダーになって「起こしてしまってから」慌ててスキルを習得させようとしても遅すぎるのだ。

現状の管理職にスキルを習得させることも当然重要だが、肝心なことは次世代のリーダー・管理職について業務成績や勤続年数にとらわれることなく「適性のある人材」のみを候補として選定し、それらの人材に対して業務スキルとは別に「ハラスメントを起こさないスキル」を徹底して習得させ、管理職となった後も定期的にそのスキルの拡張、アップデート、チェックと見直しを行なうことである。

ハラスメントはその種類によらず業務に大きな支障をきたすだけではなく、訴訟によって組織が多大なる金銭的損失を余儀なくされる恐ろしい化け物だ。起きてしまってからでは損失があまりにも大きすぎる。

これまでの日本の企業、組織は「火事になったら(トラブルが起きたら)どう火を消すか」に焦点を当てることが多かった。しかしハラスメントという問題がこれだけ大きくなった現代においてはハラスメントに限らず「最初から火事を絶対に出さない体制を作れる管理職としてのスキルを備えたリーダー」を育成することが肝要だ。「起こってしまって」からでは、部下全員が全滅になってしまってからでは遅すぎるのである。

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リプライ・インフルエンザの季節に

今年のインフルエンザの猛威は昨年を大きく上回るものになっています。
インフルエンザの大流行となった昨年の冬も、このコラムで「インフルエンザと職場環境改善の課題」というタイトルで、誰にでも起こり得る感染症の対策は、職場環境の改善とワークスタイルの見直しの鍵になるというお話をご紹介しました。
海外の企業でも、感染症対策は社員のウェルビーイングの一部として社員エンゲージメントや社員幸福度と同じものとして考えられています。
約1年が経った今、職場の環境は昨年よりも向上しましたか?昨年のコラムを振り返りながら再度考えてみてはいかがでしょうか?

2018年2月12日のコラムより
【インフルエンザと職場環境改善の課題】

この冬のインフルエンザの猛威には心穏やかではいられない。どの職場でもすでにインフルエンザにかかってしまった方もおられるのではないだろうか。インフルエンザはもとより、仕事を休まざるをえなかったり、出社しても業務効率が低下しまうなど、どれほど高いスキルを持つ優秀な社員でも、健康な状態でなければアウトプットの質も量も劣化する。

以前のコラムでもご紹介した健康経営の主旨は、インフルエンザの全国的な猛威となるような状態にあっても生産性の低下を会社ぐるみで阻止できる経営スタイルを構築するというものである。

人間、具合が悪ければ、本人の仕事のクオリティを当然にして押し下げ、ワークライフバランスにも影響を及ぼす。つまり業務上の生産性低下に限らず、社員の幸福度そのものも下げることになるのだ。社員幸福度を高めたい企業にとっては、社員自身の健康管理と共に、会社として職場の健康維持に取り組む意義が大いにある。インフルエンザに関しては、健康管理やマスク着用等本人の心掛けに加え、会社主導による予防接種の実施に始まり、ウィルスが働きやすい低温で乾燥した環境や、社員の免疫力を阻害するような業務負担の回避といった対策も考えられる。

東京都には、インフルエンザ対策と関連して、「感染症対応力向上プロジェクト」というものがある。

東京都が取り組む背景には、2020年のオリンピックに向け来訪者が増える時期に、風疹などが流行するリスクを懸念していることにあるのだが、そうしたイベントの有無に関わらず、感染症が及ぼし得る企業経営への影響に備えておくことは経営の観点から看過すべきでない。具体的には、プロジェクトで推奨されている社員向け研修の実施と、感染症にあっても対応できる事業継続計画を用意することを検討してはどうだろう。

インフルエンザに関して言えば、ウィルス感染は本人の症状に出る潜伏期間だけでなく、症状の治まった後でも起こりえる。インフルエンザなどに掛かった社員は、体調が回復すれば仕事を取り返そうと職場に復帰するのが普通だが、そこで気をつけないと他の社員に感染し、職場全体への影響が長引くことにもなる。

もし会社に、在宅勤務制度が設定されていれば、まず在宅から仕事を再開することで、そうした事態を防ぐ手立てにもなるだろう。ワークスタイル改革の下、働き方の多様化は、感染症対策にもなると言うことだ。当然ながら、普段から清潔で換気がゆきとどいた快適な職場環境も、ウィルスの生存率抑制と、社員の免疫力維持に役立つのである。

春の足音が聞けるようになるまで、まだ少し時を待たなければならない。願わくはこの時期にこそ、風邪やインフルエンザを始めとする感染症対策を確立させたい。インフルエンザの季節は毎年確実にやって来る。同時に、社員幸福度向上の一貫として社員の健康を維持する取り組みは通年の課題であることも再認識したい。

ジャパネットたかたができてジョブズができなかったこと

かつては日本でスマホといえばiphoneであり、新機種発売当日は販売店前は長蛇の列ができたほどだったが、近年ではの日本のスマホ市場のiPhoneのシェアは大きく減少傾向にある。

実は世界全体でのiphone (iOS)シェアを見てみると、日本だけがiphoneのシェアが特別に高かったのである。

 2017年末時点における世界各国のスマホOSシェア(出典:カンタージャパン)

 日本でのiphoneの圧倒的人気の大きな要因は、価格や性能は無論だが、何よりもスティーブ・ジョブズ氏の「アイドル性」が日本人の中でことのほか高かった。日本の消費においては、アイドル=アイコンの存在が購買動機に大きく関わる傾向がある。ジョブズ氏という「アイドル」=apple社を体現するヒーローとなり、日本人にiphoneを買わせた。こうした「アイコンの訴求力」の強さは、日本は他国に比べて顕著である。

 ジョブズ氏の死去とともに、日本人はapple社のカリスマアイドルを失い、徐々にiphoneから離れて行ったともされている。さらには中高生という新しいスマホユーザーにとっての購入動機となるだけのジョブズ氏のアイドル性は減少していった。

 これとは全く逆の「アイコンの訴求力」を発揮したのは、テレビ通販の「ジャパネットたかた」である。ご存じのように「ジャパネットたかた」は、創業2代目の高田社長が独特のキャラクターで自ら出演することで、テレビ通販の売上を莫大に伸ばした企業である。テレビ画面の中の高田社長の姿、声、口調、そして商品説明スタイルそのものがブランドとなったわけで、つまりは高田社長は同社におけるジョブズ氏のような「アイコン」だったのだ。消費者は、高田社長ありきで「ジャパネットたかた」から商品を買い、日本トップクラスの通販企業に成長した。

 高田社長はご自身がまだ十分働けるうちに、社長自身が育てた社員にテレビ通販を全て任せて「引退」をした。ご自身が出演していた頃から、こつこつと社員育成することで、自分が出演せずとも「ジャパネットたかた」のテレビ通販ビジネスを維持できる体制をつくり成功させた。しかも、息子である3代目に自分と同じようなアイコンになることを継がせることはなく、テレビ放送には一切出していない。今やジャパネットたかたの顔となるテレビ出演は、複数の社員に見事に引き継がれ、ブランドイメージとして継承されている。Apple社とは対照的に、「ジャパネットたかた」は高田社長という特定のアイコンなしでも売上を維持できる会社になった。

 「社長の顔が会社の顔」、つまり社長が「アイドル=アイコン」となっている会社は多い。起業一代目では非常によくあることで、それが事業の基盤づくりに大きく貢献することも多くそれを否定するものではない。しかし、一代目のカリスマ社長や、apple社のような超アイドル社長が居なくなったときに会社の顔が失われ、その顔によって取引をしてくれていた取引先、あるいは顧客が離れてしまうことも往々にしてあるのだ。

肝心なことは、体制をいつまで、どのように続けるかの引き際だ。適切な時期に「会社の顔」をリフレッシュし、社長が変わっても商売がきちんと維持できる体制をつくることができるよう、日頃からの組織構築や人材のアップデートが得策となる。ぜひご一考を戴きたい。