ダイバーシティ時代のハラスメント対策

ダイバーシティーの一角でもある働く者の多国籍化、日本でも確実に進みつつある時代だからこそ、考えて行かなければならないのは外国人雇用者に対するハラスメント予防対策である。

たとえばベトナム人労働者は、現在の日本での就職者数や将来の働き手となる留学生の数を見ると、総数ではすでに中国に続く2位、増加率も最高位グループに属している。その背景には、1億に迫る人口を抱えるベトナムの発展ステージが、先進国への労働者供給に適した段階にあることもあるが、日本とベトナムの間に親和性が高いことも挙げられ、今後もその存在感は増すと考えられる。

外国人技術者の雇用促進を目的として技能研修生制度の普及も進んでいるが、そこでの主役はベトナム人である。一部の心なき実施機関の犠牲となり、入国後に行方不明になったり、“不良外人”化する負の面が報道されることもあるものの、不可欠な戦力として期待されるケースが多い。

先日、研修生の送り出し機関の訪問で、候補生教育の場を視察する機会があった。まず印象的だったのは、礼儀正しさと元気さだ。質問に対してはきはきと返答する姿は、今の多くの日本人には失われたものを感じ、日本の職場に就いた時に浮いてしまうのではないかと心配になってしまうほどである。

日本の1970年代の経済成長期になぞられるベトナムの若者には、自身と生活水準の成長への期待と、先を行く国へのあこがれを抱くものも多い。そうした若者は、当時の日本人がそうであったように、儒教的価値観も手伝って上司や先輩からの多少厳しい指導への耐性を持ち合わせていることもあるだろう。とは言え、過去の日本の上下関係や、今の日本ではパワハラにあたるような言動の受容を彼らに甘えてはならない。

ハラスメント対策の本質は、相手の立場や意見を慮り、接点を広げることにある。それは、外国人雇用が増えるダイバーシティー時代のキーファクターでもある。良質なヒューマンパワーにもなり得る外国人はベトナム人に限らない。労働人口が減少する日本にとって、ハラスメントフリーの職場作りは必要不可欠となる。

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