働き方法案とワークライフインテグレーション

ワークライフバランスという言葉があるが、もはやこの表現自体が古いのではないだろうか。これからは、ワークライフインテグレーションがしっくりくる。仕事とプライベートを両立させるというワークライフバランスの考え方から、仕事もプライベートも同じように人生の一部であるという考え方に発展させるステージに来ているのだ。

ワークライフバランスは、言葉としても理想のコンセプトとしても一気に日本に広がったものの、単純に「時短」や「テレワーク」の導入が、ワークライフバランスの達成といったような気風のまま停滞している感がある。仕事(ワーク)と人生(ライフ)はそもそも対極にあるとするのが根本にあり、それらをバランスよくこなすという考えでは、日本特有の企業習慣や、日本人の働き方の傾向においては浸透に時間がかかりすぎるのだ。すでにITテクノロジーが進化している日本でも、未だテレワークの浸透率はたった16%にすぎない。

シリコンバレーではすでに、ワークとライフはバランスではなく、一体化するものだという認識が広がっている。個人的な人間関係や仕事以外の時間を有効に使う姿勢で結果的に仕事に効果を出せる社員の方が、有望とみなされる。

ワークライフインテグレーションの成功には、個人の思考や行動の自主性の高さはもちろん、雇用主側の管理能力や人事評価能力も求められる。これまでのように、勤務場所や時間が特定されるスタイルでは、ワークライフインテグレーションを習慣化できる可能性のある社員たちを育てることも阻まれる。たとえば、会社業績に大きな影響を与えるとされている社員エンゲージメントも、この新しいムーブメントによってさらに高められるのではないか。

自主性の高さやクリエイティブな発想を生むのは、自分自身の人生の質を高めて、幸せになりたいという純粋な欲望だ。そうしたプライベートライフと仕事を、相互サポートで成り立つものとして捉えられる発想はワークライフインテグレーションの基盤である。

働き方改革法案が可決した。長時間労働の是正をするための時間外労働に罰則付きの上限規則が設けられ、その一方で高収入の一部専門職を労働時間の規制外とする高度プロフェッショナル制度が導入される。本当の改革は、実際の職場に浸透されてから始まる。

そのきっかけとして、ワークライフインテグレーションという働き方コンセプトに目を向けてみてはどうだろう。果たして、あなたの職場には浸透するのか、浸透させることができるのか、それとも、まだ古い習慣や企業文化が邪魔をするのか。

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