ネガティブ社員は辞めていただいても良い説

会社という枠組みで社員を「幸福」にしようとするならば、できることはかなり限られる。会社が制度として与えられる事項、即ち「評価報酬制度」「人事制度」について社員が満足するような制度への「改善」を模索することだろう。これらの制度整備は組織としての大前提事項とはいえ、残念ながら社員はいくら給料を上げてもなかなか満足してくれないものでもある。

ハーバード大学の調査によると、「年収が100万円増えてもその人の幸福度は殆ど変わらない」という結果が出たという。その結果が表すように、給料アップを含め、会社の枠組みの中の制度を変えたとしても、社員が感じる幸福度には直接影響を与えない。

もともと幸福な社員だけでいい

では、会社としては何をすればいいのか。答えは、「もともと幸福な人を多く雇用する」に尽きるのだ。もともと幸福度が高い人を会社に多く入れれば、組織の雰囲気自体が良いほうへシフトし、業績にも好ましい影響がでるはずだ。同時に、その幸福度に馴染めない人は居心地の悪い会社を辞めていくことになるかもしれない。しかし組織としてはそれでいいのである。残酷な言い方になるが、不幸な人は会社にいてもらわなくてよいのだ。

近年、海外企業では、採用候補者に対して「幸福度調査」を実施する会社が増えている。組織に入る前の人間関係や幸福度を測定したファクターを、企業ごとの組織と特性をもとに統計的に分析し、採用候補者の幸福度と企業をマッチングさせる採用が一般化してきているのだ。

学歴が高く、スキルがあったとしても、「幸福でない人」には組織に入ってもらわなくていい。一見リスクの高い考え方ではあるが、ハラスメントや心身の疾病すら生む職場を作らない真の健康経営を目指すのであれば、企業の将来に重きを置いた新しい採用の概念である。採用前にこそ、候補者の幸福度や人生観を見ておくべきなのだ。

既存社員に対しての幸福度調査も定期的に実施されるべきであり、調査結果に応じて会社が素早く改善の対応策を取ることが重要である。せっかく幸福度の高い人材を採用しても、幸福度の低い先輩社員から悪影響を受けるような環境に入れてしまっては意味がないのだから。

日本で「幸福度調査」を実施する企業は徐々に増えては来ているが、実際に採用や人事の配置、ハラスメント防止などに積極的に活かしているところはまだ殆どない。これからは、採用候補者と既存社員に対する「幸福度調査」の導入は非常に有益な企業戦略になるだろう。

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