自信のある女性は活躍できるのか?

今年の秋、P&GのヘアケアブランドPantene(パンテーン)が、日本の没個性的な就職活動に対するメッセージ広告を出して話題を呼んだ。黒髪を後ろでひっつめて黒のリクルートスーツを着た終活女性の姿に「ひっつめ髪をほどいた就職活動が、この国の当たり前になりますように」などのコピーがついて、新聞広告や吊り広告として展開された。

Panteneは、無意識のうちに「女性はこうあるべき」という固定概念を植え付けられてしまう日本社会の習慣を、就職活動におけるリクルートスーツやリクルートヘアメイクの中に感じていたからこそ、「自由にありのままの姿で自信を持って活躍していくことを後押しできたら」とのメッセージを込めての広告展開をしたという。

通勤中の電車の吊り広告に「「ひっつめ髪をほどいた就職活動…」と見た人は、男女年齢を問わず、賛同するしないも別として、何かしらの想いは感じたはずである。どう考えても、日本のリクルートファッションの団体は異様な風景なのだ。メッセージとは、まず何かしらの波紋を投げかけることができればステップ1は成功である。

このメッセージ広告は、「大きな話題を呼んだ」「SNSで共感の声が数多く発せられた」と報じられたが、SNSに共感の声を発した人々の中に、どれだけの会社経営者がいて「リクルートスーツでの面接は廃止」と決めただろうか。Twitter拡散をしたであろう就学生の中で、リクルートスーツを脱ぎ捨て、ひっつめ髪をほどくことができる女性たちはどのくらいいるのだろう。心では、ひっつめ髪のリクルートスタイルは「自分ではない」と違和感を感じつつも、それを辞める最初の一人になるのはとてつもなく不安で怖くて当然なのだ。

この季節、小学校お受験に向かうと思しき母子連れの姿を多く見かける。改心のお受験用ファッションコーデに身を包み、ご自慢のブランドバッグを真っ黒のお受験付き添いバッグに持ち替えた母に引率された女の子たちは、皆おなじようにきれいに編まれた三つ編みヘアーでお受験ワンピースを着ていた。

リクルートスーツやお受験ファッションの是非を問うことが問題ではない。そもそも、今の日本では、【ありのままの自分の個性に自信を持っている女性】は本当に活躍できるのだろうか。いや、活躍させてもらえる準備は、社会に、会社に、できているのだろうか。

三つ編みもひっつめ髪もほどいた日本の女の子が、この国で当たり前に活躍できますように。

パンテーン広告のニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/15370007/