アチチアチ!青学の駅伝大作戦で社員エンゲージメント!

2018年もあと2週間、お正月には日本が「箱根駅伝」で盛り上がる。

ご存じのとおり、箱根駅伝では青山学院大学の連覇が続いている。以前なら駅伝のイメージとは結びつかなかった青学であるが、2004年に元サラリーマンの原晋氏が監督に就任し、10 年目の2014年についに箱根駅伝優勝を達成して以来、青山学院=駅伝というイメージはすっかり定着し、大学の新たなブランド構築にも大きく貢献している。

原監督は2012年から、毎年必ずチームの箱根駅伝の作戦名をキャッチフレーズのように設定している。

【過去の箱根駅伝作戦名(順位)】
12年度 マジンガーZ大作戦(8位)
13年度 S大作戦(5位)
14年度 ワクワク大作戦(1位)
15年度 ハッピー大作戦(1位)
16年度 サンキュー大作戦(1位)
17年度 ハーモニー大作戦(1位)
18年度 ゴーゴー大作戦(?)

2012年度に最初の作戦名が設定されてから3年後に箱根駅伝優勝を果たしているのだ。

5連覇を目指す2019年の作戦名を聞かれて、原監督は「就任15年目。箱根駅伝95回大会。5度目の優勝、キーになる区間は5区。ライバルチームはゼッケン5番の東海大学。私たちは、アチチアチと燃えております。郷ひろみさんじゃないですが、名付けましてゴーゴー大作戦」と記者会見で答えた。恐らくひと昔前の日本の運動部監督なら「ありえない」発想と会見発言も原監督らしい。

ただし、ユニークな作戦名があれば強くなるのかといえばそうではない。数多くの大学駅伝監督の中でも、特に原監督はその年ごとの選手の特性、性格、価値観を見極め、体感することに抜きんでており、選手たちに的確に訴求し非常に理解しやすいキャッチフレーズ・作戦名を策定することが出来ているのである。それが青山学院の強さの大きな要因の一つになっている。

ご存じのとおり、大学スポーツは在籍期間4年という上限があり、毎年最上級生と新入生が入れ替わる。したがって、高校から選手をリクルートする際には学風に極力合った選手をスカウトするのが鉄則であるが、当然どの選手にも個性があり、毎年毎年全くおなじ雰囲気のチームになるかといえばそれは不可能だ。

原監督は寮生活で選手と寝食と共にすることで、その年ごとの選手の性格や特性、人生観や価値観を読み取り、チームの雰囲気を共有する。そうすることで選手全員に最大のインパクトをもたらす作戦名を策定することができている。さらに作戦名に則して練習内容を調整している。例えば、昨年2017年度の「ハーモニー大作戦」では、「今年は個々の選手の特性を調和させることが勝利につながる」と判断。選手それぞれがお互いの個性と特性を調和させてハーモニーを創出する、ということに焦点をあて、作戦名を選手たちにキャッチフレーズとして浸透させ、それに基づいた練習を徹底して繰り返した。

もちろん、同様に寮生活でのチームビルディングやキャッチフレーズの策定などを実行している大学もあるだろうが、選手全員の腑に落ちるシンプルで的確な作戦名を選定できのるは、原監督の「日々の努力」の積み重ねのなせる業である。また、怒鳴る、叱責するといったハラスメントぎりぎりの熱血根性指導のスタイルからも逸脱した。ワクワク、ハッピー、サンキュー…明るく楽しく幸せなチームこそが「勝てる組織」なのだ。これは企業における社員エンゲージメントの構築と同じである。

企業での社員エンゲージメント構築では、監督に相当する経営トップが、社員と寝食を共にしないまでも、日ごろから可能な限り社員と日常での接点を持ち、社員の特性、個性、価値観、そして幸福度を的確に把握することが求められる。現状把握をすることで、「組織=チーム」に訴求する企業としての「キャッチフレーズ=企業理念」の浸透作戦、すなわち社員育成のポリシーやシステムを構築する。こうして構築された企業理念に基づく育成システムは、企業・組織の強さに直結するのだ。

こうした取り組みをまだ実施していない企業経営者が多いのは、非常に勿体ない。皆さんも是非今日から原監督に倣って、2019年はアチチアチと情熱的に社員エンゲージメントと育成システムを構築してみてはいかがだろうか。

 

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