あなたの会社の管理職は大丈夫?

埼玉県の町役場で50代の男性課長によるパワハラで、部下全員が全滅したという。全員全滅…まさかの全員が自宅療養する事態である。課長は地方公務員法29条にもとづいて停職3か月の懲戒処分を受けた。

ライブドアニュース

パワハラに限らずセクハラなども、ハラスメントというのは受ける側の受けとめ方によるところも非常に大きいため、どこからどこまでがハラスメントになるのか、という定義は非常に困難なものである。しかし、今回の埼玉県の町役場のケースのように、「部下全員」とは、もはや度を超えた異常さすら感じてしまう。

とはいえ、被害者の数が1人であれ、部課全員であれ、問題の大きさは同じだ。ハラスメントの回避には「ハラスメントが起こりえない組織=ハラスメントが排除される組織」を作っていくことが現代の経営者の使命というわけでもある。それには、「ハラスメントを絶対に発生させないリーダーの育成」が必須となる。

会社組織では「上下関係」、特に上司から部下へ、つまりは管理職からその下へ、という局面がハラスメント勃発の中心エリアになってくる。ここで、皆様の会社・組織ではどういう人が「管理職」に登用されているかを考えてみて欲しい。会社内からの昇格であっても外部からの採用であっても、管理職の選定基準が「仕事ができる=業績が良い」、「長く勤務している」、「周りからの信頼、人望がある」というくらいで、実際に「管理職のポジションに就く人材についての明確な基準やルール」は定められていないというのが殆どではないだろうか。

仕事ができる・業績が良い=管理職として適性やスキルがある、とは限らないのだ。むしろ、過去の業績や勤務年数が管理職としての適性判断に仮面を被せている場合もある。上司や同僚の人望があったとしても、組織の管理職としてリーダーに向いているとも限らないのだ。

しかし、多くの場合、リーダー適性を細かく見られることもなく、管理職としてのスキルを身につけるためのトレーニングや教育を受けることもなく、「仕事ができる、業績が良い、勤務年数が長い」だけで管理職になっていく。このために管理職になったはいいが、何が何だかよくわからないまま管理職を続ける、リーダーをやっている、という状況になる。そして、そういう人たちがハラスメント問題に何らかの関わりを持っているのだ。当事者になる場合も多い、ハラスメントが目の前で起こっていても気づかない、気づいても危機感すら持たないという状況を起こす。

極論、管理職に向いていない人材、リーダーとしてのスキルのない人材を管理職にしてはいけない。特にハラスメントについては、管理職・リーダーになって「起こしてしまってから」慌ててスキルを習得させようとしても遅すぎるのだ。

現状の管理職にスキルを習得させることも当然重要だが、肝心なことは次世代のリーダー・管理職について業務成績や勤続年数にとらわれることなく「適性のある人材」のみを候補として選定し、それらの人材に対して業務スキルとは別に「ハラスメントを起こさないスキル」を徹底して習得させ、管理職となった後も定期的にそのスキルの拡張、アップデート、チェックと見直しを行なうことである。

ハラスメントはその種類によらず業務に大きな支障をきたすだけではなく、訴訟によって組織が多大なる金銭的損失を余儀なくされる恐ろしい化け物だ。起きてしまってからでは損失があまりにも大きすぎる。

これまでの日本の企業、組織は「火事になったら(トラブルが起きたら)どう火を消すか」に焦点を当てることが多かった。しかしハラスメントという問題がこれだけ大きくなった現代においてはハラスメントに限らず「最初から火事を絶対に出さない体制を作れる管理職としてのスキルを備えたリーダー」を育成することが肝要だ。「起こってしまって」からでは、部下全員が全滅になってしまってからでは遅すぎるのである。

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