終身雇用にこだわりますか?働き方の新時代

 オランダのランスタッド社が33カ国で実施した労働者意識調査によると、「終身雇用の概念はない」と考える人の割合は、日本は世界の中位に位置するようになったという。80%台のシンガポールや香港、ポルトガルには及ばないものの、その比率は72%に達し、米国とほぼ同水準だ。

 下のグラフ「転職経験の有無(2012 年、30 代男女)」からも見て取れるように、実際に転職経験率も諸外国に引けを取らず、日本の雇用制度を代表する一つであった終身雇用は、すでに過去の産物となりつつあるといえそうだ。


出所:リクルートワークス研究所「Global Career Survey 基本報告書」

 働く先の会社を変える際、雇う側も雇われる側も双方にとって判断基準の大きなポイントは報酬水準であろう。日本では前職の水準を基に設定するケースが少なくない。それに対して欧米では、転職先の職場におけるその人の職責が報酬水準設定の大きな要素となる。各々の社員が担うべき職務と責任を規定し、各社員の仕事内容を明確にする、いわゆる「タスクベース」型が習慣となっているからだ。雇用時には社員それぞれのポジションに期待される職務を明記するジョブディスクリプション (職務規定書)が用意され、以後評価基準としても活用される。

スキル型からタスク型へと変化する雇用

 
一方、日本では報酬水準も年功序列性が根強く、人の評価にあたり、経歴や歴任した役職などを基にする「スキルベース」型が一般的である。
これは採用にもリンクしており、大量の新卒採用から、一部の優秀な人材がでてくればよい。という考えに基づく「人を」ベースにした組織運営をしてきたからだ。

 タスク型とスキル型の優劣は議論するものでもない。しかし今後、日本でも人材採用に際し、特定の職務=タスクを設定するスタイルは確実に増えていくだろう。すでに、日本企業でも海外での雇用、外国人雇用が増え、タスク型を前提とした雇用と評価制度が必要不可欠だ。職の国際化進展は不可避であり、企業も、働く側も、タスク型への適応を求められる時代は確実にやってきている。

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