5月病対策、やることは3つ!

5月といえば新緑が目にも優しいベストシーズンの一つだが、働く人たちの間で感情や体調にブレが起こりやすい時期でもある。新年度を境にした環境的な変化が原因とされる適応障害の症状は、「五月病」と称されることも多い。また、環境の変化を体験するのは、新入社員だけではなく、新入社員を迎える側も同じなのだ。だからこそ、この時期は改めて社員幸福度に目を向け、社員エンゲージメントを高める時期として、捉えるのも良いのではないだろうか。

適応障害は、やる気があり前向きな人ほど陥りやすいという。頑張りすぎて、上手にストレスマネージメントが出来なかったり、高過ぎる理想と現実のギャップに悩む傾向があるからだろう。前者(ここでは「ストレス型」と呼ぶ)であれば、まずなにより自分に合ったストレス対策方法を探していくことである。人や状況によって方法も効果も異なるものなので、焦らずに時間を掛けてでも自分に合う方法を選び、改善したい。社員向けのストレスマネジメント研修やカウンセリングを積極的に取り入れている企業も増えている。自分なりのストレス対処方法を見付ければ、これからのワークライフで幾度も訪れる環境の変化やストレスに対する対処に長期的に役立てられる。

後者(「現実とのギャップ型」と呼ぶ)の場合、深刻化すれば会社を辞める所まで行きつきかねない。確かに、12ヶ月も経てば希望に満ちて入社した職場の粗が目につき、隣の芝が青く見え始める。最近の売手市場傾向の下では人材確保のために会社が実態を美化して「良い顔を作る」ことも少なくなく、ギャップを目の当たりにすることもあるだろう。「石の上にも」に後に続くのが「3年」でなく「3ヶ月」の世代にとっては、転職が頭に浮かぶことにもつながる。無論、自身が向かうべき方向を確立しているのであれば、短時間で見切りを付けるのは双方にとって好ましいが、社会経験の浅い社員が「一時の気の迷い」で退社に至るのは好ましいことではない。そうした社員をどう教育するのかで、悩みを抱える先輩社員が生まれてしまっては本末転倒でもある。

いずれのケースでも、その予防と対策の肝は適切なコミュニケーションの継続である。予兆の検知を含めて部下や同僚の心の揺らぎを察知したり、そうした揺らぎを抑えるために欠かせない職場でのコミュニケーションと相互サポート、その活性化を担うのはやはりグループのリーダー、マネージャーだ。

「ストレス型」でも「現実とのギャップ型」でも、大切なことは、各社員が「仕事をしている自分は、会社という組織や社会の一部である」ということを認識していることである。前者であれば、自身はあくまで「組織全体の中の一部」であり、自分一人が責任を抱え込みすぎる必要はないと気付けば、肩の力が抜け自分なりの関わり方が見つけやすくなるはずだ。後者にとっても、組織への所属が意識されれば、その組織に適合することが自身にもプラスであり、適合するスキルが今後のキャリアでも重要であると気付くことにつながるであろう。どちらも、「自分が達成すること」よりも、「どうしたら自分が身を置く組織を適切に回すことができるか?」というように、周囲と調和して仕事を進める意識を持ってもらうことが重要だ。

そうした職場環境は新年度限定ではなく、企業文化として構築・定着させていくためにすることはシンプルに3つのみ!

1.会社の経営理念やグループの方針の浸透
2.リーダー、マネージャー層の育成
3.ストレスマネージメントの啓蒙

こうした社員エンゲージメントを高めていく取り組みは、会社そのものを健康経営に導いていく。