採用応募者がゼロから200人になった企業に学ぶ

本格的な人材不足時代、大企業と中小企業では、有効求人倍率に明確な格差が広がってきている。20174月のリクルート調査では、5000人以上の企業の有効求人倍率は0.39倍なのに対し、300人未満の企業では6.45倍となっている。そんな中小企業の採用困難化を尻目に、地方都市の中小企業の拓新産業には、採用枠わずか数名に対して200名以上の学生が応募する。その理由は働きやすい職場環境にあると言われている。拓新産業は、福岡の中心部から離れた郊外の建設工事用機材のレンタル会社ながら、「ワークライフバランス大賞」優秀賞(日本生産性本部)、「ダイバーシティー経営企業100選」(経産省)、さらに「日本で一番大切にしたい会社」の特別賞などを受賞する優良企業として全国的にも有名な企業だ。

拓新産業の躍進が、28年前の学生向け合同説明会で自社ブースに全く人が寄り付かなかったことでの創業社長藤河氏の屈辱の経験から始まったことは有名な話であるが、そこから藤河社長が行ったのは徹底した「社員幸福度」の追求。最初の取り組みは、従業員規則の改正とそれをきちんと守ること、すなわち職場環境の改善だったという。近年の日本を席巻している、働き方改革、職場環境改善を四半世紀も前から取り組んできた「先駆者」と言えるだろう。

こうした先駆者が道も経過も見せてくれているのだから、後へ続くのは簡単なのではないか?簡単であるはずなのに、未だ日本の企業で働き方改革が思うように進まないのは、まず社員の幸福と業績向上の関係性が明確に数値化として目には見えにくいものだということもあげられる。時短や女性活用、ダイバーシティ等の言葉やトレンドばかりが先走り、本来の最重要ゴールである「社員幸福度」までは、イメージそのものが及びにくいのではないだろうか。だからこそ、思い切って、企業目標に社員幸福度を掲げられる勇気のある企業は、働き方の新常識にも大きくジャンプすることができる。

職場の古い常識は根底から変えていく

拓新産業では、数年ごとに行う配置換えも、単なる部署移動ではなく、だれかが休んだり、産休を取ったときでも、無理なく対応できるための目的で行っているという。非効率な職場環境では、自分の部署以外の業務内容は知らないのが普通、担当者でなければ書類の保安場所もわからないのが当たり前。配置換えになったときには、何がどこにあるのかわからない、引き継ぎや業務説明が不明確で生産性が落ちる、といったことが良く起きる。これでは社員幸福度があがるはずもなく、こう言った、これまでの「職場の常識」は根底から覆されなければならない。

採用応募者がゼロから200人になった企業から学べるポイントは、絶対的な自信と真実が込められた先駆者の言葉「一流の会社は社員幸福度から作られる」にある。あなたの会社では、社員は笑顔で働いていますか?