新入社員教育はバカボンのパパに聞くのだ

厚生労働省の調査では、新卒社員の約15%が1年以内に、約33%が3年以内に離職するという結果が出ている。手放したくないからこその、新入社員教育や研修であるが、キーワード検索では、軒並み「社会人としての基礎」「コミュニケーション能力」というコピーが現れ、笑顔で拳を掲げるスーツ姿の若者の写真が出てくる。同じすぎて恐ろしくもなるが、今の日本、会社は、そしてあなた自身は新入社員に何を望んでいるだろうか。望みは伝わり、受け止められるのだろうか。

指導や教育の過程では、義務や責任感から「これが正しいやり方、考え方」「うちのやり方」と決め付け、押し付けをしてしまいがちにもなる。さらには相手に理想通りの反応や理解を求めすぎることにもなり、双方の信頼関係を構築できないことにもなる。

これから新入社員を迎える側にある人にこそ、読んでいただきたいおすすめの一冊を選んでみた。

『バカボンのパパと読む老子』ドリアン助川著 角川文庫

天才赤塚不二夫氏のクリエイションである「バカボンのパパ」はその生きざま自体が禅的要素が高いことでも良く知られているが、何よりも、天才バカボン世代は新入社員ではなく、経営者や管理職の世代であり、この本はまさに先輩社員向けだ。新しきを受け入れ、成熟し、さらに進化を導いていく立場にある人のための本である。

『バカボンのパパと読む老子』では、老子の説いた「道(タオイズム)」をバカボンのパパの言葉で、日常実践レベルにして解説されている。漢詩、日本語、パパ語の3段階に訳され、分かりやすいだけでなく、タリラリラーンと脳に入ってくる心地よさ。

【是を以って聖人は方にして而も割かず、廉にして而も劌らず、直にして而も肆ならず、光ありて而も耀かず】

こんなややこしいことを、バカボンのパパは、「どえらい人は自分の判断が正しいと思っても他人の善し悪しを決めたりせず、頭の回転が速くてもそのことで他人をいじめたりしないのだ。まっすぐな考えを持っていても他人にその通りにしろとは言わず、知恵があってもそれをひけらかそうとしないので、自分は特にえらそうに見えないのだ。これでいいのだ」と説いてしまう。信頼関係の構築とコミュニケーションの基盤はまさにここにある。

「なんでこんなこともできないの?」「言ってる意味わかる?」「ちゃんと考えた?」「前にも言ったよね」「使えないなあ」、これらは職場で言われてやる気をなくした言葉集としてインターネットに載っている。こんな言葉は上司にも部下にも必要ない。なぜならば…

師曰く「わしは他人をジャッジしないのだ」

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