平昌オリンピックのニュースが様々なメディアで展開される中、某テレビ局の情報番組でのテロップ表記にミスが生じ、SNSなどでちょっとした話題となった。テロップ表記の誤りはさほど珍しいことではないのだが、今回はたまたまそのニュースの内容が「大手新聞社が自社の公式ツイッターで、ハッシュタグのスペルをPyeongchang(平昌)のはずを誤ってPyongyang(平壌)とする凡ミス的な誤字をしてしまった」と指摘するもので、その誤字表記を起こした大手新聞社名をよりによってテレビのニュース番組のテロップでご丁寧にも誤字表記して報道してしまったのである。
ギャグのような凡ミス誤字の連続がSNSで話題になってしまったわけである。どちらのメディアもすぐに「単純な打ち間違い」であったとして釈明コメントを発表したが、人間とはどんなに注意をしていても100%ミスのない行動など不可能な生き物である。
凡ミス・・・英語で言うのなら Careless mistake(不注意によるミス) と一般的に訳され、日常ではHonest mistake(まったく悪気のないミス)という言い方も使われる。どちらにしても、無意識レベルの人間の行動で起こったものである。
職場でも、凡ミスを限りなくゼロに近づけるにはどうしたらいいのか、何度注意しても凡ミスを繰り返す社員をどう教育したらいいのか、それは常に続く課題でもある。
そもそも、小さなミスでも極めて深刻な事態を招くことにつながる案件や、ミスが起こりがちな物事には何段階ものチェックや確認がシステム化されているため、そう簡単に起こらない。それに対して、凡ミスは一瞬の隙で起き、想定外の事態を招いたりするものだ。
大事なのは、ミスが起こった時の分析力と瞬発力である。必要に応じた謝罪や回復・改善などの早急にやるべきことのスピードと、それと並行してミスが起きた事実についてあらゆる角度で検証することがリスクマネージメントの手掛かりとなる。ミスを起こした人を怒鳴りつけたりする余裕など本来作れないくらい、やるべきことがあるのだ。
凡ミスを防ぐなら、仕事で起こり得るミスの【当たり前すぎる原因】をあえて復習しておけば、ミスが起こりやすい状況は簡単に再認識できる。当たり前すぎるからこそ日常で忘れて不意に起こる、それが凡ミスなのだ。
1.未熟・未経験=仕事の覚えたて、新しいことをはじめたばかり。
2.間違って覚えている=そもそも最初から間違った情報下で動いている。
3.時間に追われている=ミスが起きない方が奇跡である。
4.自分流に頼る=コミュニケーション不足は何においてもマイナスが多い。
5.疲れている=職場とは、働く人の心身を消耗させる場所であるべきではない。
6.目的・ゴールがずれている=目指す方向性が違えば、何をやってもミスとなる。
さらに原因が、能力不足や知識不足、コミュニケーション不足で起こったというのが明確であるならば、もはやそれは誰か一人が起こした凡ミスではなく、関わるすべての人による人為的ミスである。職場ならば、上司、部下、そして職場環境そのものにも原因の種があり、改善が求められる。
あらゆるミスを軽減させることも、職場環境改善の恩恵としたいものである。