アフターコロナに勝ち抜くための日本企業のグローバル戦略

新型コロナウイルスの影響で、日本経済だけでなく全世界で経済が低迷してしまっている昨今。

働く人たちに景気の実感を聞く内閣府の景気ウォッチャー調査では、先月の景気の現状を示す指数が前の月より3.1ポイント低下し、3か月連続の悪化という結果が出ました。

また、中小機構が実施した中小・小規模企業における、コロナウイルスの影響調査でも、前年度に比べて「大幅なマイナス影響が発生した」と答えた企業は、約2,000社のうち41.3%を占めていました。


図表1前年同月比の業績影響推移
ソース:https://www.smrj.go.jp/research_case/research/questionnaire/favgos000000rzfk.html

このように、経済にも大打撃を与え続けているコロナウイルスですが、全世界で流行しているが故に大きな打撃を受けているのは、海外に子会社や支社をお持ちの企業も例外ではありません。

実際、グローバル人事支援を行っている当社に寄せられるご相談のうち、このコロナ禍で海外子会社管理に関するものが多くなっていることから事の深刻さを実感しています。

そこで今回は、コロナ禍における海外子会社を持つ企業が直面している問題や、今だからこそやるべき対策についてお伝えしていきたいと思います。

まず、海外子会社を持つ企業にコロナが与えた影響は、大きく2つあると考えています。

現地に行って仕事をする、直接伝えるがほぼ不可能に

1つ目の大きな問題は、他国への入国が制限されているということです。

各国でロックダウンがなされ、日本以上に厳しい制限がかけられていた国のニュースを皆さんもご覧になったかと思います。

今まで多くの社員を出張させたり、駐在させていた企業も中止または延期を余儀なくされています。

こうした影響で、海外子会社を持つ企業では、「駐在員が日本に帰国してしまい、本社からの管理職が不在の状態が続いている」、または「海外出張によって対応していた業務が進まない」といった問題が生じているのです。

この影響は、去年3月の決算期にも多くの会社で見受けられました。

例えば、これまで日本本社の担当者が出張して業務を行っていた海外子会社の決算業務に関しても、渡航が難しくなるとそれらの業務を遠隔で完結させる必要があります。

また海外子会社の倉庫での実地棚卸に会計監査人が立ち会えず、監査自体が困難であるという問題が生じました。

こうした状況から、海外売上高が大きい企業ほど、決算時期を遅延せざるをえない事態となりました。

この他にもこれまで対面で進めていた業務が滞るという事例が増えているのです。

日本人駐在員が不在になることにより不正リスクの増加

不正の発生状況(対2018年比で2020年は増加)
ソース:https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20201203.html

2つ目の影響としては、海外への渡航が制限されたことで、本社の目が行き届かないことによる不正リスクの増加です。

駐在員という存在は、日本本社のブランドやミッションを適切に伝える役割も担っており、こうした存在の不在は、短期間であったガバナンス脆弱化を招きかねません。

実際に、デロイトトーマツが発表した『企業の不正リスク調査白書2020-2022』においても、昨今の状況下で海外駐在・出張を中止した企業が57.6%となる中で、海外子会社ガバナンスが脆弱化し、このことが不正・不祥事の温床となっている可能性も指摘されています。そのほか、補助金/融資を活用した企業が32.0 %/20.3%となっており、業績悪化から将来の不正誘引となることも懸念されるなど、今後より本社からのガバナンス統制はますます重要となっていきます。

コロナ禍の今こそ必要なグローバルガバナンス

それでは、我々はどのようなグローバルガバナンス体制を整え、どんな対策が人事面では必要となってくるのでしょうか。

先行きの見えない昨今では、日本本社から海外子会社へ出張できないことを前提に物事を考え、遠隔でも適切に海外子会社を管理するグローバル人事の体制づくりが急務です。

恐らく複数の海外拠点を持つ会社の本社には「グローバル人事部」があり、部署として存在していない場合でもグローバル人事担当者がいらっしゃると思います。

グローバル人事の面で統制を進めるはじめの一歩として重要なのは、グローバル人事のあるべき姿、ミッションをまずは明確にすることです。

労働法や商習慣、職場文化が全く異なる各拠点をまとめる為には、本社におけるグローバル人事のあるべき姿を定め、その確固たるミッションの元で次に人事制度の構築や現地社員への伝達、浸透をしていく必要があります。

コロナ禍において海外拠点の組織体制を見直す企業が増えている中、
・海外拠点の人事書類や情報を本社が把握できていない
・海外拠点の現地担当者とどのようにやり取りをしたらよいかわからない

といったように、グローバル人事として何からやるべきかわらかないという方が多いです。

今回この様な課題に直面したことを一つのきっかけとして、グローバル人事の体制を強化していくことがアフターコロナにおける日本企業のグローバルでの生き残りを左右すると強く確信しています。

当社では“世界で勝ち抜く”グローバル人事戦略サポートを実施しており、過去25年間で2800社以上の日系企業と25か国に渡る人事プロジェクトに従事してきました。

今回のコラムで記載したようなお悩みやその他グローバル人事に関するご相談がありましたら、無料個別カウンセリングも実施しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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