人事の近未来像~2025年への働き方ロードマップ~

人事戦略

この連載のパート1では、2025年の人事の未来像を明確にしました。
経営者と人事部門が検討すべき重要なポイントをロードマップとして示し、リーダーが「これからの新しい常識」を理解できるようにしました。

パート2では、パート1で説明した最初の2つ『仕事環境』、『ワークツールとテクノロジー』に焦点を当て、それぞれのカテゴリーの鍵となるものを明らかにします。前回のように、経営者や人事部門が今後の取り組みに優先順位をつける際に考慮すべき、各要素の利点を挙げていますが、優先順位は地域や産業、企業文化、会社の規模、各企業の具体的なニーズによって異なります。

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物理的なワークスペース

コロナの世界的流行により、多くの国で仕事をより分散して行うという動きが加速しました。つまり、会社が巨大なオフィスを持ち、すべての従業員が同じ勤務時間に同じ建物の中で働いていた時代はもはや終わりを告げました。 そう、永遠に……。

私たちカルチャリアや他企業が実施した従業員調査によると、多くの従業員はリモートワークを好み、少なくとも週何日かは自宅で仕事をしたいと考えている傾向にあります。Salesforce社のCEOマーク・ベニオフ氏は、277億ドルを投じてビジネスチャットツールのSlackを買収した際に、次のようにコメントしています。「私たちは社員全員がオフィスに戻るわけではありません。Salesforceには7万5000人の社員がいますが、ほとんどがリモートワークです。それでいいと思います。」

他の大手企業もこのトレンドの波に乗っており、多くの大手企業が当面の間、オフィスに戻る予定はないとしています。例えば、TwitterやAirBnb、Microsoftは、リモートワークの方針を無期限に延長しました。日本では、富士通やカルビー、グーグルジャパンなどの大手企業が、自宅からのリモートワークやワーケーション、あるいは(少なくなっていると思われますが)オフィスに出勤など、働く場所を従業員が選べるようにしています。

従業員がオフィスから離れて働くことを選択しているため、多くの企業がコストのかかる都市圏のオフィスを引き払い、地方に拠点を移してしています。アメリカでは、ロサンゼルスやシリコンバレーからテキサスなどに移転するハイテク企業が増加。その例として、Oracle社とHewlett Packard社は数ヶ月前に移転を発表し、Tesla社のCEOであるイーロン・マスク氏は2021年10月初旬にテキサス州オースティンへの移転を表明しました。

日本でも同じような傾向が見られます。国税庁のデータによると、2020年度に東京の中心部から本社を移転したという日本企業は、2019年度から20%以上増加。また日経によると、他の大都市でも同じような動きが見られ、例えば大阪や名古屋からの移転は、2020年度にそれぞれ23%と15%増加しています。

雇用主にとって地方への移転は、賃料やインフラコストの低減、税率の引き下げ、場合によっては大企業や中堅企業の誘致に熱心な地方自治体からの補助金など、明らかに金銭的なメリットがあります。従業員にとって、リモートワークや在宅勤務のメリットは、家族との時間が増えること、仕事の柔軟性が増すこと、通勤ラッシュ時の満員電車や人であふれるオフィスでコロナの感染予防に気を配らければならないストレスの軽減など、さまざまな理由が挙げられます。

ここ数年で加速しているトレンドは、長所だけではなく短所もあります。その中には、従業員同士のつながりの欠如、一部の従業員の孤独感や孤立感、プライベートと仕事の区別がつかずに生産性が低下している従業員が多いことなどが挙げられます。しかし、企業の経営者や人事部がこれらの短所を効果的に管理し、長所を伸ばしていくことができれば、業界をリードし、今後数年間で最高の人材を集めそれを維持することができるでしょう。

ワークツールとテクノロジー

新しいワークスタイルには新しいテクノロジーが必要です。 人類の歴史の中で、今私たちが直面している「ニューノーマル」ほどこのことが当てはまる時代はないでしょう。日本では、コロナの時期に従業員に柔軟性を持たせたいと考える企業にとって、デスクトップPCに代わってノートPCが主な選択肢となっています。 実際に2020年のノートPCの販売台数は過去最高を記録し、デスクトップPCの販売台数は41.5%減少しました。すでに見てきたように、『柔軟性』は2025年以降、成功した企業とそうでない企業を分ける最も重要な要素の一つです。コロナが日本の多くのオフィスからデスクトップPCを加速度的にお役御免にさせているのは明らかです。

スマートフォンもまた、従業員の柔軟性と利便性の向上のための手段となっています。 オフィスでも自宅でも、あるいは遠隔地でも、従業員がどこで働いていても、柔軟性と生産性をアップさせるハードウェアがあるということです。

トレンドに敏感な企業は、従業員がモバイル機器やインターネットに接続しやすい機器を使い、働く場所に囚われていないということを理解しています。そのような企業の多くは、従業員がオフィスから離れて働くための費用を補助しています。 日本では、自動車メーカーのホンダ、携帯電話会社のソフトバンク、通信会社のNTTなどが、社員のホームオフィス設置や遠隔地のワークスペースの使用料を会社が負担しています。

「ワークツールとテクノロジー」カテゴリーでの次の要素は、会社のファイルに簡単かつ迅速にアクセスできるソフトウェアやアプリです。「Google for Business」や「Microsoft OneDrive」などのSaaS(Software as a Service)型アプリケーションは、企業情報を安全かつ安定的に保存することができます。これにより、従業員がオフィスでかさばっている高価なデスクトップPCに縛られる必要がなくなるのです。

オフィスで働く従業員にも、リモートで働く従業員にも、ノート型PCやスマートフォンだけでなく、チームワークや同僚とのコミュニケーションを促進するようなアプリが必要です。 世界的に見て、ビジネスアプリや生産性向上アプリのダウンロード数は、2020年に71億件となり、2019年から35%増加すると予想されています。

中小企業で最もよく使われているアプリは何でしょう? 答えは3年前にはほとんどの人が聞いたこともなかった「zoom」です。今では「zoomする?」なんて、zoomというサービス名をそのまま動詞として使うほどメジャーになりました。また、ほとんどの人がビデオ会議にGoogle Meets、Microsoft Teams、Cisco Webexを使っています。

SlackやChatWork、Wantedly、Yammer、LinkedInなどは、従業員がチームや最近では顧客やパートナーとのコラボレーションに使用するコミュニケーションツールの一例です。さらに、TrelloやMicrosoft Projectのようなプロジェクト管理アプリは、欠かせないツールとして利用されています。

ここで重要なのは、スケジュール管理やメールの送受信、オンライン会議への参加、同僚とのリアルタイムなコミュニケーションやコラボレーション、プロジェクトやタスクの管理などを行うために、従業員がデスクトップPC、あるいは今ではさらに一般的なノート型PCを持つ必要がなくなったことです。 スマートフォンやタブレットのようなインターネットに繋ぐことができるハードウェアと上記のようなアプリケーションさえあれば、従業員はいつでもどこでも生産性と効率性を発揮することができるのです。

さあ、次は何がくる?

日本のビジネスの状況は確実にかつ急速に変化しています。 これまで述べてきたように、コロナは、企業が大都市から離れ、従業員が遠隔地や自宅で仕事をし、ハードウェアが場所をとるデスクトップからより柔軟なノート型PCやスマートフォンに変わり、アプリを使って仕事をし、完全にクラウド化するといった動きを加速させてきました。

本連載では、2025年の人事の未来像に焦点を当てていますが、その先に目を向けると、より速く、より深い変化が起きていることがわかります。 想像してみてください。社員が世界のどこからでも仕事を始めるためにVRヘッドセットを装着し、バーチャルオフィスの周りにいる同僚のアバターを見ながら、Facebookの「Horizon Workrooms」のようなものにログインします。デジタルで構築された仮想空間のオフィスに自分のアバターが出勤するのです。

このエキサイティングで、正直なところ少し恐ろしい時代に、人事は何をすべきなのでしょうか? このシリーズの最終回となる次回のコラムでは、そんな疑問に答えていきたいと思います。 一つはっきりしているのは、スピードや敏捷性、順応性が重要だということです。 物理的なオフィスや不動産などに縛られるのは、まさに20世紀的です。

本連載の最終回では、人事部門や経営者が自社の従業員体験管理(EXM)をどのように改善できるかを探ります。またワークカルチャーがどのように変化しているのか、優秀な人材を惹きつけ、維持・定着するためのミッションやバリューを企業がどのように発展させていくかといった問題も含めて考察していきます。

次回のコラムもどうぞお楽しみに!

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The Future of Human Resources
“Leading the New Way to Work in 2025”

In Part 1 of this series, we identified and clarified our vision of the future of Human Resources in 2025. We laid out a roadmap with key milestones for business leaders and HR departments to consider, allowing leaders to understand what the “Next Normal” will look like.

Now in Part 2, we will focus on the first 2 broad categories outlined in Part 1 and clarify the key drivers in each category. As noted previously, we list the benefits of each driver for leaders and HR departments to consider when prioritizing their efforts moving forward.  Priorities will be dependent on the region, industry, workplace culture, company size and specific need of each business.

Contact Culturia today if you are an HR Leader who wants to get your company ready for the Next Normal.
We’re ready to help you move forward.

The Physical Workspace

The global COVID-19 pandemic has accelerated the trend in many countries for work to be done in more distributed ways.  By this, we mean, the days of a company having huge offices with all the employees working in the same building during the same work hours- those days are over.  Forever.

Employee surveys carried out by Culturia and other companies have shown that employees generally like working remotely and they would prefer to spend at least part of their work-week working from home.  Salesforce CEO Mark Benioff recently said after the company’s $27.7 Billion acquisition of Slack (the corporate messaging application) that “We are not all going back…we have 75,000 people now and they’re mostly at home.  That’s fine.”

Other big-name companies are following the trend with many major companies having no immediate plans to return to the office. Twitter, AirBnb and Microsoft, for example, have extended their remote work policies indefinitely. In Japan, companies such as Fujitsu, Calbee Foods, Google Japan and many others are leading the way in giving employees the choice of where they work- at home, at a remote work location or, less and less frequently, in the big expensive office.

With their employees choosing to work away from the office, many companies are shedding their expensive offices in big cities and moving away from costly population centers.  In the US, there’s been an exodus of tech companies moving from Los Angeles and Silicon Valley to Texas and elsewhere.  Oracle and Hewlett Packard announced moves months ago while Tesla CEO Elon Musk stated in early October 2021 that the company would move to Austin, Texas.

In Japan, the number of Japanese companies that have moved their headquarters from the center of Tokyo in fiscal 2020 increased more than 20% from fiscal 2019, according to data from the National Tax Agency.  According to Nikkei, the same trend was seen in other big cities. For example, relocations from Osaka and Nagoya increased 23% and 15%, respectively, in fiscal 2020.

For employers, the benefits of these changes are obviously monetary; lower rents and infrastructure costs, reduced tax rates and in some cases, subsidies offered by local governments eager to attract large and medium sized companies.  For the employees, benefits of remote work and working-from-home range from more time with family, increased working flexibility and less stress regarding catching COVID on crowded rush-hour trains or in people-filled offices.

The trends we’ve seen accelerated in the last few years don’t come with just pros- there are cons as well. Among these are lack of employee face-to-face bonding, loneliness and isolation amongst some employees and many employees facing suffering productivity loss as they have trouble keeping their personal and professional lives separate.Still, if business leaders and HR Departments can manage these cons effectively while building on the plusses, they will be well placed to lead the way in their industries and will be able to attract and retain the best talent in the years to come.

Work Tools and Technologies

New workstyles demand new technologies. In no time in human history is this more true than in the New Normal we now find ourselves in. In Japan, laptops have replaced desktop PCs as the primary choice for companies wishing to provide their employees with flexibility during COVID times.  In fact, 2020 laptop PC sales have surged to record highs as desktop PC sales dropped 41.5%.   As we’ve already seen, flexibility is one of the most critical factors that will separate successful companies from the competition in 2025 and beyond.  

Clearly COVID is accelerating the death of the desktop computer in many offices in Japan.

Smartphones, too, have been a popular way for employers to provide their employees with increased flexibility and convenience.  The idea is that no matter where employees work, be it in the office, at home or remotely, they have hardware to enable flexibility and increased productivity.

Agile companies- ones that understand that their employees will be working in more distributed ways, using devices that are mobile and easy to connect to the internet- many of these types of companies are providing stipends or cash payments to help their employees with the cost of working away from the office.  In Japan, for example, automaker Honda, mobile carrier Softbank and telco giant NTT all give payments to employees to help offset the cost of setting-up home offices or reimbursing the use of remote workspaces.

The next driver in the “Work Tools and Technologies” category are software and apps that allow easy and quick access to company files. Broadly speaking, Software as a Service (SaaS) type applications such as Google for Business and Microsoft OneDrive allow for the secure and stable storage of most company information. This, in turn, takes away the need for all of your employees to be tied to their bulky desktop computers in a huge and expensive office.

Whether employees are working in the office or remotely, spending their days on their laptops or on smartphones, they need apps to encourage teamwork and communication amongst coworkers.  Globally, downloads of business and productivity apps hit 7.1 billion in 2020- up 35% from 2019.

Which apps are the most common in small and medium sized businesses?  We now use “ZOOM” as a verb, whereas 3 years ago, most of us had never heard of the company. Most of us also use Google Meets, Microsoft Teams or Cisco Webex for video conferencing.

Slack, ChatWork, Wantedly, Yammer and LinkedIn are all examples of communication tools that employees use to collaborate with their team and, increasingly, with clients or partners as well. Additionally, project management apps like Trello and Microsoft Project put powerful tools into the hands of employees.

The key point we are making here in terms of these items is that it no longer required for employees to have desktops, or now even more commonly, laptop computers to manage their schedules, send/receive emails, take part in teleconferences, communicate or collaborate in real-time with their coworkers and manage projects or tasks.  With hardware like laptops and the applications listed above, your employees can be productive and efficient pretty much anywhere at any time.

What’s Next?

It’s clear that things in the business world in Japan are changing and changing fast.  As we’ve mentioned, COVID has simply accelerated trends like companies moving away from big cities, employees working remotely or from home, tech hardware switching from bulky desktops to more flexible laptops and smartphones and work being accessed and completely in the cloud using apps.

Although this Series of columns is focused on what the future of human resources will look like in 2025, if we look beyond we see a faster and deeper set of changes taking place.  Imagine your employees logging in to start their workday from anywhere in the world, putting on their VR headsets, seeing the avatars of their coworkers around the virtual office- all while connected to something similar to Facebook’s “Horizon Workrooms”.  A virtual office space in the metaverse.

What’s HR roles in this exciting and, if we’re being honest, slightly terrifying time?  Please join us for our final column in this series where we will attempt to answer those questions!  One thing is clear, speed, agility and flexibility are key.  Being weighed down by physical offices, real estate, etc. is so 20th century.

In the final column of this Series, we will explore how HR departments and leaders can improve the Employee Experience Management (EXM) in their companies. Also, we’ll examine how the Work Culture is changing, including issues like how companies can develop their mission and values that attract and retain the top talent.

Please join us for our next column!

Are you an HR Leader who wants to get your company ready for the Next Normal? Need to conduct an employee survey? Conduct training?
We’re ready to help your company move forward.

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