明日から使える!成功する1on1ミーティング【完全攻略】

新たな人事施策として1on1ミーティングを導入する企業が増えています。1on1ミーティングは、メンバーとマネージャーが週1回〜月1回など短いスパンで定期的に行う一対一の対話の場です(所要時間15〜30分ほど)。アメリカ・シリコンバレーの企業が相次いで導入したことで注目を浴び、日本ではYahoo Japanがいち早く1on1ミーティングを取り入れたことで話題になりました。しかし、1on1ミーティングを導入したが、成果につながらない、やりたくないなどの現場からのマイナスな意見もよく耳にするのが現状です。なぜ諸外国では上手くいっているのに、日本では上手くいかないのか。ここでは、成果につながる1on1ミーティングについてお話します。

1. 1on1ミーティングをやりたくない3つの理由

よく耳にする1on1をやりたくない理由と、その解消方法についてお話します。

1on1ミーティングをやりたくない3つの理由
1-1. 理由1:担当するメンバーが多く、人数を捌くのが大変だから

マネージャーにとって、自分の仕事を抱えつつ、頻度の多い1on1ミーティングに時間がとられてしまうのは死活問題と考えている人もいるでしょう。

会社の規模や業種、あるいは関係者がどれだけ忙しいかによって大きく異なりますが、1人のマネージャーが担当する人数は7〜8人程度とし、1on1ミーティングの日程も定例化することをおすすめします。例えば毎週火曜日は1on1ミーティングの日と決めてしまえば、メンバーもスケジュール調整しやすくなります。

心に留めておきたいのは、1on1ミーティングは、ミーティングを行うことが目的になってはならないという事です。正しく行えば中長期的に多くのプラス効果をもたらし、チームや会社にとってより良い結果になるのです。重要なのは、頻度や回数ではなく内容を順序立てて建設的に実施することです。四半期ごとの業績や達成した目標を確認するためのものであれば、毎週、あるいは毎月行っても意味はありません。明確な目的があれば、1on1ミーティングの回数が多すぎるということもないのです。

また、昨今リモートワークを導入する企業が増加しました。オフィスで仕事をしていたころは当たり前にできていた、ちょっとした雑談や仕事終わりにみんなで呑みに行くといったチームのコミュニケーションの機会が大幅に減ったことでしょう。1on1ミーティングがマネージャーとメンバーの貴重なコミュニケーションの場ともなります。1on1ミーティングの場でメンバーが現状に満足しているか、マネージャーとして何を改善すればよいかなど、マネージャー自身が気付きを得ることもできるのです。

1-2. 理由2:準備が大変だから

必要に応じて1on1ミーティング用のソフトやアプリの活用をおすすめします。メーカーによって多少異なりますが、過去のパフォーマンスやイベントを簡単に参照したり、メモを同じ場所に保管したり、ソフトにはそれぞれ便利な機能があります。あるソフトにはどのような質問をするか、どのようなトピックを盛り込むかなど、ミーティングの指針となるテンプレートが用意されているものもあります。これは一貫したパターンや方法を維持するのに非常に役立ちます。

また、マネージャーが部下の日々のパフォーマンスについて定期的にメモを取ることができる貴重なツール「パフォーマンス・ジャーナル」を利用すると便利です。このメモには、スタッフのパフォーマンスに関するポジティブな情報だけでなく、問題や懸念など、ネガティブな情報も含まれていなければなりません。

前もって準備をしておけば、確認事項や話したかったことを忘れずに済みますし、時間を有効に使うことができます。アジェンダほどでなくても、話したいことをいくつかメモしておくと便利です。これはマネージャーだけでなく、メンバーにも同じことが言えます。事前準備をすることで主旨を逸脱することなく1on1ミーティングに集中できるでしょう。

1on1ミーティングを運用に乗せ、成功させるためには、現場に任せきりにするのではなく、マネージャー向け1on1ミーティング研修の実施や経営陣も1on1ミーティングに参加、1on1ミーティングの現場がうまく回るよう、前出にもあるような1on1ミーティング用ツールの積極導入など会社側の努力も必要です。

1-3. 理由3:個人目標のフォローが大変だから

目標設定は、メンバーのパフォーマンスに関わる非常に重要な指標です。1on1ミーティングの場においてマネージャーはメンバーが目標を達成するために行動できるように、メンバーとともに課題を見つけ出し、成長の方向性を明確にすることが求められますが、目標そのものが、ふんわりと漠然とした表記であったり、本人のスキルに対して現実的ではない数値のため、達成するのが難しい、だからフォローが大変という事はないでしょうか。そのような場合、SMARTゴールを利用した目標そのものの見直しをおすすめします。

SMARTゴールとは

SMARTゴールとは、ジョージ・T・ドラン氏によって提唱された、明確で追跡可能な目標の設定を可能にする法則です。SMARTゴールとは、下記にある5つのワードの頭文字をとったものです。

・Specific:具体的であること。具体的な目標、数値、望ましい結果を持つべきである。
・Measurable:測定可能であること。目標が達成された場合、結果はどうなるか(例:XXの増加率)
・Achievable:達成可能であること。実現不可能なものではなく、社員の努力を必要とするものであること。
・Related:関連性。会社全体の目的に沿った目標であること。
・Time-bound:中間結果と最終結果の両方に具体的な日付が含まれていること。

SMARTゴールを活用した目標設定の例
(例)プロジェクト担当
【悪い例】プロジェクトがうまく進むように努力し、チームに貢献する
【良い例】プロジェクトにおいてコスト削減○○百万円を実現する

(例)営業担当の場合
【悪い例】新規顧客にアプローチして定期的に顧客への訪問回数を増やす。
【良い例】半期で○○商品の売上高○○百万円を実現する。その為に△業界の50社にアプローチし、○○件のアポイントを獲得し、○件の提案書を提出する。

(例)総務・人事担当者の場合
【悪い例】勤怠管理(規律遵守、健康管理など、改善を促す)
【良い例】適正な勤怠管理を通じて社員の健康管理を行う。具体的には、過去3か月間の時間外労働が所定の時間を超える社員に自動的にアラームを出す仕組みを、9月まで導入・運営する。

SMARTゴールのNGワード5選
【努力する、徹底する、頑張る、目指す】
目標は達成するために設定するので、努力目標をにおわすような表現は書かないようにしましょう。

【支援する、援助する、協力する調整する】
目標達成の主体が他力本願になりがちな表現は避けましょう。

【~など・etc.、極力、管理する、可能な限り、出来るだけ】
目標の範囲を曖昧にさせる表現は削除します。どれだけできればよいのかが不明確な表現は避けましょう。

【積極的に、なるべく、臨機応変に、迅速に】
気持ちを表現することにより、達成感を曖昧にさせる表現は削除しましょう(このような表現は記述から外しても実施内容は変わりません)。

【○○化する、効率化する、明確化する、安定化する、共有化する】
具体的な内容が記述されていればかまいませんが、漠然と「○○化」と書いてあるだけで、どう○○化するかが不明な場合は表現を変えましょう。

SMARTゴールにおける5つの注意点
1.「何を(成果指標)」「どれだけ(成果水準)」行うかを明確にしましょう
2.成果指標は測定可能なものとしてください
3.成果目標はマネージャーとメンバーの話し合いで合意しているか確認するようにしましょう
4.成果目標は現実的に達成可能か確認しましょう(ストレッチ目標)
5.成果目標は期日を明確にしているか確認しましょう

SMARTゴールによって目標が明確になり目標に集中でき、メンバーのパフォーマンス測定を可能にします。また、自分に何が期待されているのか、何に向かって努力すべきなのかがわかるので、メンバーのモチベーションが上がる指針となります。1on1ミーティングの場において、マネージャーも的確なサポートができるようになります。

1on1フィードバック研修
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2. 時間をかけず成果に繋げる1on1ミーティングのコツ

時間をかけずにメンバーのモチベーションや目標達成意欲、自社へのロイヤリティを高めていけたらいいな……を実現する、1on1ミーティングに関するTipsをご紹介します。

時間をかけず成果に繋げる1on1ミーティングのコツ
2-1. 1on1ツールや外部サービスの活用で効率アップ

次のようなサービスを導入し効率を上げることで、「成果に繋がらない」から「成果に繋げる」1on1ミーティングにブラッシュアップしていきましょう。

ピープルマネジメントツールの導入
HRテックの発展で、各社より工夫を凝らしたツールがリリースされています。1on1ミーティングに特化した、スケジューリング機能や面談記録の見やすさ・使いやすさに定評のあるものや人事評価とリンクしたものなど製品によって機能はさまざまです。目的に沿った機能のあるツールを選びましょう。

第三者による1on1ミーティングサービスの活用
社内の人間には言いにくい事やメンバーの本音を拾ってもらうことができ、問題解決のスピードがアップします。また、管理職向け1on1ミーティング研修を取り入れ、マネージャーの1on1ミーティングスキル向上を図りましょう。

2-2. 1on1ミーティングで聞くべき5つのこと

「何を聞いていいかわからない」、「話すネタがない」は1on1ミーティングに悩んでいるマネージャーからよく聞く言葉です。ここでは1on1ミーティングで聞くべき内容をご紹介します。

プライベートな話題、健康について
プライベートな話題については、アイスブレイクとして活用することもできます。また、相互理解につながる話題でもありますので、マネージャーも自身のことをオープンにするようにしてください。

今後のキャリアについて
終身雇用制度が崩壊しつつある今、一つの会社にとらわれず転職や副業などもふまえたスキルアップやキャリアアップが一般的になってきました。メンバーの自己分析(強みや弱み)やどんなキャリアを目指したいのか、そのためにはどんなスキルが必要かなど、1on1ミーティングの場でメンバーの「気付き」をサポートしましょう。

業務内容の確認、直面している課題など
1on1ミーティングを通じてメンバーが抱えている困りごとを一緒に考え、解決していくことで、メンバーのモチベーションアップにつながります。また、社内やクライアントからの良い評判や仕事への取り組み姿勢などを褒めるなど、メンバーにとってプラスになる面をクローズアップすることも大切です。

チームの人間関係やなにか不安に感じている事など
仕事中には言い出しにくい内容になりますので、1on1ミーティングで押さえておきたいところです。1on1ミーティングで状況をくみ取り、サポートしていきましょう。

会社の方針などに関する質問や疑問について
1on1ミーティングを利用することで、経営層の考えや会社の戦略・方向性などをメンバーに浸透させる機会になります。マネージャーからメンバーに分かりやすく伝えてください。

2-3. メンバーに寄り添う1on1ミーティングを心がける

1on1ミーティングの目的はメンバーの成長やモチベーション向上のためのサポート、メンバーとの信頼関係の構築です。メンバーがこれからどんなスキルを身に着け、どんなキャリアを歩んでいきたいのか、メンタルやフィジカル、人間関係の具合はどうかなどの情報は、メンバー個人からの発信がないと知ることができません。

マネージャーがしゃべればメンバーは黙る
上司が1on1ミーティングの目的をきちんと理解していない、自身のタスクをこなすために形だけの1on1ミーティングになっているからです。1on1ミーティングと業績評価面談は違います。マネージャーが一方的に話してしまっては、メンバーは自分から話そうとは思わなくなります。結果的にメンバーから得たい情報は得られないということを認識しなければなりません。

メンバーが話しやすい場を作るのもマネージャーの役目
1on1ミーティングの回数をこなしていけば、スムーズに本題に入れると思いますが、最初のころはマネージャーもメンバーも不慣れで話を進めにくいかもしれません。そんなときのために、アイスブレイク用の話題を準備することをおすすめします。アイスブレイクとは、チームビルディングなどの場において、緊張感をほぐし参加者が話しやすくなるように場を和ませる手段として非常に効果的です。1on1ミーティングの場でも、意思疎通がしやすくなったり、メンバーの本音を引きだしやすくなります。1on1ミーティングの導入として、天気や気候に関する質問や時事ネタ(政治や信条にかかわるような内容はNG)など、マネージャー・メンバー双方が反応しやすい話題を事前にメモしておくとよいでしょう。

1on1ミーティングは業績評価面談と同じではありません。1on1ミーティングは、メンバーの話を受け止める「傾聴」の場です。マネージャーはメンバーの話を聞く役回りに徹してください。

1on1は怖くない!1on1ミーティングを成功させる方法とは
https://culturia.co.jp/column/6919.html

3. 1on1ミーティング失敗の要因とは

1on1ミーティングを導入したものの、なかなかうまくいかない理由として、次のようなことが挙げられます。

1on1ミーティング失敗の要因とは
3-1. 1on1ミーティングの目的を認識していない

経営陣は1on1を実施するにあたり、マネージャー任せにするのではなく会社の取り組みとして、人事部など関係各署を通じメンバーに1on1ミーティングの内容や目的をアナウンスしましょう。1on1ミーティングが軌道にのることで、エンゲージメントの高いチームになります。そしてビジネスはうまく回り、イノベーションやプロセス改善、開発など、より高い価値をもたらすため、会社としても1on1を成功させることで大きなメリットを得られます。

また、「1on1ミーティングとは何か」「なぜ行うのか」「どんな効果が期待されるか」など、1on1ミーティングの内容や目的がマネージャーとメンバーの間でしっかり共有されているのか確認をしてみてください。先述のようなHOWTOをもとに、1on1ミーティングを実施しても1on1の目的を認識していないと中身のない形だけのものになりお互いに時間を無駄にしただけに終わります。

3-2. チームに心理的安全性が確立されていない

心理的安全性とは、チームに対人関係のリスクテイクの心配はないという考え方です。心理的安全性が確立しているチームでは、メンバーがアイデアや質問、懸念事項、ミスをしてしまったことなどを率直に話しても、そのメンバーの評価が下がったり、恥をかかされたりすることがないため、アウトプットを恐れなくなります。

逆に意見を言っても否定されたり、査定に響いたり、人間関係が悪化するような職場では、口をつぐんだほうが自分も傷つかなくてすむため、マネージャーとメンバー、またはメンバー同士の活発なコミュニケーションは乏しくなります。部下がなにも話してくれないので1on1ミーティングが成立しない。話のネタがなくて困るという悩みを持っている場合、チームに心理的安全性が確立されていない可能性が考えられます。

では、心理的安全性を作るにはどうすればよいのでしょうか。

●自分をさらけ出す
自分の感情をチーム内で共有することで、ここは自分の感情について話してもよい場であることを示します。1on1で話すことがないと悩んでいるのであれば、マネージャー自身が自分の感情をオープンにしてみましょう。感情だけでなく、自分の失敗なども率直に伝え、チームにフィードバックや助けを求めましょう。上司自ら弱さをみせることで、ここは自分の感情を話してもよい場なのだと示すことができます。そして心理的安全性が確保されているところでは、お互いに信頼できるという感覚が生まれ、役割が明確になり、一生懸命働こうという動機が生まれます。

●失敗を奨励する
失敗は成功への過程で避けられないものですが、チャンスでもあります。失敗を隠すのではなく、うまくいかなかったときこそ、チームでオープンに話し合うことで、失敗は恥ずかしいことではないとすることができます。

何が悪かったのか、どうすれば解決できるのか、チームメイトと話し合いましょう。失敗を責めるのではなく、好奇心を持ってミスに対応することでチームは強くなります。

●フィードバックにオープンであれ
特にリーダーは、他愛のない雑談や臨時のミーティングにしっかり対応するようにしましょう。その際、上から目線ではないこと、傾聴することを心掛けてください。誰かが他のメンバーを悪く言っているのを聞いた場合は介入し、メンバーを陥れるような行動は許さないことを明確にする必要があります。また、率直な意見や感想を言っている人を見つけたら、公的に褒めることも大切です。メンバーが自信を持って、チームの全員に気持ちよくフィードバックできれば、チーム内に信頼が生まれます。

84.7%の経営者が「心理的安全性」を高める施策で売り上げが上がったと回答
https://culturia.co.jp/column/8772.html

3-3. 他責思考であること

1on1ミーティングをやりたくない、成果に繋がらないと思えるのは、もしかしたら他責思考に陥ってしまっているかもしれません。

他責思考とは、何か問題が発生した際に他人や外的要因に原因があると考えることです。例えばクレームが入った際、他責思考の場合「上司がしっかり対応してくれなかったせいだ」、「会社のシステムが悪いからだ」、「こんなことで文句をいう方がおかしい」と自分ではなく他人や状況のせいだと考えます。

では、なぜ他責思考な1on1ではダメなのでしょうか。他責思考は、ミスやトラブルは他人や環境のせいにするため、自分の考えや言動を振り返り省みることはしません。自分の行動が原因とは思わないため、解決するために方法を模索することはなく、不平不満を言いながら、同じことを繰り返すので、自身の成長するスピードが遅くなります。そして結果的に会社の成長にも影響を及ぼすことにもなります。他責思考の持ち主からはそのうち人が離れ、信頼もなくなります。信頼関係がある上で1on1ミーティングははじめて成立しますが、文句ばかり言うマネージャーと1on1をしたいと思うメンバーはいるでしょうか。他責思考なマネージャーと1on1はとても相性が悪いのです。

他人や環境のせいにばかりしている人は、その思考が体に染みついてしまっています。そのため、なかなか人の話は受け入れてくれないでしょう。そういう人には自分で気づいてもらうことが大切です。また、他責思考をうまく利用することもできます。例えば、他責思考で「会社のシステムが悪い」と仕組みに対して疑問をもち改善していく。これを繰り返すことで、より洗練された仕組みに切り替えていくことができます。同様に他責思考を利用し、1on1ミーティングをやりたくないと思う理由を挙げ、改善することもできるでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

1 on 1ミーティングを導入する企業が増えていますが、1 on 1ミーティングを導入したが、成果につながらない、やりたくないなど現場の悩みは尽きません。1 on 1ミーティングは始めたらすぐに効果の出るものではありません。まずは会社全体の取り組みとして、心理的安全性の確保などしっかりとした土台を作ることが重要です。そのうえでこちらで触れたような対策を講じることで、1 on 1ミーティングはよりスムーズな運用につながります。

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