【新年度における保育園の心理的安全性を調査】約4割の保育園は「心理的安全性」向上の取り組みを実施せず!

~「心理的安全性」の専門家が調査結果について解説~

※子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営する株式会社明日香とご協力させていただき「保育園での心理的安全性」に関する調査を行った所、PRTIMES様で取り上げいただきました。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000043389.html

・調査サマリー

・調査概要

調査概要:「保育園での心理的安全性」に関する実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2022年4月4日〜同年4月11日
有効回答:保育士93名

・保育士の76.4%が、自身が勤める保育園では、役職に関係なく、スタッフ同士が正直・オープン・率直に話せる雰囲気があると回答

 「Q1.あなたが勤める保育園では、役職に関係なく、スタッフ同士が正直・オープン・率直に話すことができる雰囲気があると思いますか。」(n=93)と質問したところ、「かなりそう思う」が43.1%、「ややそう思う」が33.3%という回答となりました。

Q1.あなたが勤める保育園では、役職に関係なく、スタッフ同士が正直・オープン・率直に話すことができる雰囲気があると思いますか。

・かなりそう思う:43.1%
・ややそう思う:33.3%

・あまりそう思わない:19.4%
・全くそう思わない:4.3%

・保育士の68.9%が、自身が勤める保育園で、「多様な考えや視点が奨励されている」と回答

 「Q2.あなたが勤める保育園では、多様な考えや視点が奨励されていると思いますか。」(n=93)と質問したところ、「かなりそう思う」が24.8%、「ややそう思う」が44.1%という回答となりました。

・かなりそう思う:24.8%
・ややそう思う:44.1%

・あまりそう思わない:22.6%
・全くそう思わない:8.5%

Q2.あなたが勤める保育園では、多様な考えや視点が奨励されていると思いますか。

・保育士の61.3%が、管理職を含めた全職員間で、「デリケートなテーマに関するフィードバックや込み入った話をすることができる」と回答

 「Q3.あなたが勤める保育園では、管理職を含めた全職員間で、デリケートなテーマに関するフィードバックや込み入った話をすることができますか。」(n=93)と質問したところ、「かなりそう思う」が20.4%、「ややそう思う」が40.9%という回答となりました。

Q3.あなたが勤める保育園では、管理職を含めた全職員間で、デリケートなテーマに関するフィードバックや込み入った話をすることができますか。

・かなりそう思う:20.4%
・ややそう思う:40.9%

・あまりそう思わない:31.2%
・全くそう思わない:7.5%

・保育士の60.2%が、管理職を含めた全職員間でお互いの弱い一面を見せ、受け入れ合うことができると回答

 「Q4.あなたが勤める保育園では、管理職を含めた全職員間でお互いの弱い一面を見せ、受け入れ合うことができていると思いますか。」(n=93)と質問したところ、「かなりそう思う」が14.0%、「ややそう思う」が46.2%という回答となりました。

・かなりそう思う:14.0%
・ややそう思う:46.2%

・あまりそう思わない:24.7%
・全くそう思わない:15.1%

Q4.あなたが勤める保育園では、管理職を含めた全職員間でお互いの弱い一面を見せ、受け入れ合うことができていると思いますか。

・約4割の保育園では、「心理的安全性」を上げる取り組みを実施せず

 「Q5.あなたが勤める保育園では、心理的安全性を上げる取り組みを行なっていますか。」(n=93)と質問したところ、「あまり取り組んでいない」が26.9%、「一切取り組んでいない」が14.0%という回答となりました。

Q5.あなたが勤める保育園では、心理的安全性を上げる取り組みを行なっていますか。

・積極的に取り組んでいる:15.0%
・やや取り組んでいる:44.1%
・あまり取り組んでいない:26.9%
・一切取り組んでいない:14.0%

・取り組んでいる施策、「保育理念、保育目標、保育方針を組織内で共有」が58.2%で最多

 Q5で「積極的に取り組んでいる」「やや取り組んでいる」と回答した方に、「Q6.心理的安全性を高めるために取り組んでいる施策を教えてください。(複数回答)」(n=55)と質問したところ、「保育理念、保育目標、保育方針念を組織内で共有」が58.2%、「緊張を和らげる雰囲気づくり」が56.4%、「ミーティングで全員が発言する機会の確保」が40.0%という回答となりました。

・保育理念、保育目標、保育方針念を組織内で共有:58.2%
・緊張を和らげる雰囲気づくり:56.4%

・ミーティングで全員が発言する機会の確保:40.0%
・職員のキャリア形成をサポート:30.9%
・1on1ミーティングの実施:27.3%
・管理職が厳しくチェック・指示する体制を実施しない:25.5%
・メンター制度の導入:23.6%
・その他:3.6%

Q6.心理的安全性を高めるために取り組んでいる施策を教えてください。(複数回答)

・心理的安全性を高めるために取り組んでいる施策に、「ストレスチェック」や「第三者のメンタルの対面相談」などの声

 Q5で「積極的に取り組んでいる」「やや取り組んでいる」と回答した方に、「Q7.お伺いします。Q6で回答した以外に、心理的安全性を高めるために取り組んでいる施策があれば、教えてください。(自由回答)」(n=55)と質問したところ、「ストレスチェックを行なっている」や「第三者のメンタルの対面相談をしている」など28の回答を得ることができました。

<自由回答・一部抜粋>
<自由回答・一部抜粋>
・37歳:ストレスチェックを行なっている。
・48歳:第三者のメンタルの対面相談をしている。
・35歳:陰口を言わない。
・30歳:若い人も発言や意見できるような雰囲気づくりがされている。
・32歳:園長が全職員に気軽に声をかけて、話しやすい雰囲気を作ってくれています。
・27歳:信頼関係を作る。
・58歳:職員で休みに家族も含めて交流の場を設けて、お互いを知り、距離を縮めている。

・まとめ

今回は、保育士93名を対象に、「保育園での心理的安全性」に関する実態調査を実施しました。

 まず、自身が勤める保育園では、「役職に関係なく、スタッフ同士が正直・オープン・率直に話すことができる雰囲気がある」と76.4%の保育士が回答しました。また、「多様な考えや視点が奨励されている」が68.9%、「管理職を含めた全職員間で、デリケートなテーマに関するフィードバックや込み入った話をすることができる」が61.3%、「管理職を含めた全職員間でお互いの弱い一面を見せ、受け入れ合うことができる」が60.2%という回答になりました。

 次に、「自身が勤める保育園では、心理的安全性を上げる取り組みを行っていますか」と伺ったところ、約4割の保育園では実施していないことがわかりました。一方、実施している園の取り組み内容には、「保育理念、保育目標、保育方針念を組織内で共有」が58.2%で最多となり、続いて「緊張を和らげる雰囲気づくり」が56.4%、「ミーティングで全員が発言する機会の確保」が40.0%となりました。その他には、「ストレスチェック」や「第三者のメンタルの対面相談」などの声もあがりました。

 今回の調査では、約6割の保育園において、心理的安全性を高めるための取り組みが行われていることが明らかになりました。その甲斐もあり、多くの保育士が、自身の勤めている保育園で「役職に関係なく、スタッフ同士がオープンに話すことができている」と感じていたり、「多様な考えや視点が奨励されている」と感じているようです。しかし、裏を返せば、約4割の保育園では「心理的安全性」を高める取り組みを実施できていない実態も明らかとなりました。過去調査(※)でも、約8割の保育士が、園長との良好な関係性づくりが仕事への満足度や自身の転職・退職に影響すると回答しているように、園長と保育士が充分なコミュニケーションを取ることで、双方が抱くギャップを埋めることができ、結果的に心理的安全性の確保にも繋がります。新年度を迎え、前向きな気持ちもある一方、新たな年度に対し不安が入り混ざった方も多いのではないでしょうか。コロナ収束の狭間の状況も後押しし、内外的要因から心理的影響も受けやすい4月。今回明らかとなった各園の「心理的安全性」の高い数値を維持するためにも、継続して園内の良好なコミュニケーションと取り組みが必要でしょう。

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