顔が見えるようになったら、会社が変わった

会社が急成長していく中で、目立ってきたのは社内の個人商店化でした。環境改善のためと、いろいろなことにチャレンジはしてきましたが、だいぶ前から問題になっていた部署間のコミュニケーションの不全が改善されず、生産性も思うように上がらない。どこから手をつけて良いのかわからなくもなっていました。そんなとき、「トリサル」のお話しがあり、最初は単なる片づけ・整理整頓・掃除をしてくれるサービスなのかなと思ったのですが、これは違うなと分かり、社員のことを考えたら絶対に必要だと感じました。「この角度は面白い!チャレンジしてみよう」と。
カルチャリアさんには「コミュニケーション問題の改善策と環境整備をつなげて考える経営者は、日本にはまだまだ少ないんですよ」と言われましたが、どこのきっかけでどうなるかわからなくても、もしかしたら物事が良い方向に流れてくれたらと考えて、即チャレンジしました。実際に導入してみたら、当然社内はきれいに片付きましたし、「すべての事実が見えるようになった」というのかな、社内のあらゆるところ、コミュニケーションや働き方までも可視化されて、社内の情報伝達もあきらかに速くなりました。
トリサルの実施では、リーダーたちが率先して参加し、動いてくれたことが大きかったですね。トリサル前はデスクの上に書類を置く棚があり、いつのまにか砦のような状態で、ある意味「個室」が出来上がっていました。オフィスの中央に壁もあったので、誰もが一生懸命仕事をしているのに、お互いが見えていないというだけで、妄想で断定して、ありもしない不信感を作っていたんですね。部屋を仕切っていた壁を撤去し、部署やデスクのレイアウトを変え、全員のデスクの上の棚を廃止したら、仕事の生産性が上がっていなかった原因も見えるようになりました。
今は、私が誰かに何かを話せば全部みんなに聞こえますし、自分自身が何をしているかもそうですし、誰が何をしているかもわかります。「あいつ今日はちょっと元気ないな」などの小さなことも把握できるようになったのは、私自身にも大きな変化でした。昔から社員の誕生日には全員にプレゼントをしているのですが、「こんな洋服が好みだったな」などもイメージで自分に入っています。「おはようございます」の会話だけでは気づかなかったことも、仕事をしている様子が見えることによって、社員のことがより分かるようになりましたね。毎日、皆の顔がしっかり見えています。